黒木華&野村周平「ビブリア古書堂」の役どころに共感しきり
2018年9月17日 21:30
[映画.com ニュース] 女優の黒木華と俳優の野村周平がダブル主演した映画「ビブリア古書堂の事件手帖」の完成披露試写会が9月17日、都内で行われた。2人は共演の成田凌、夏帆、東出昌大、三島有紀子監督とともに舞台挨拶に立った。
古書にまつわる謎を解き明かす鎌倉の古書堂店主に扮した黒木は、「人見知りな感じなど、けっこう共感するところがあった」と照れ笑い。「またご一緒したかった三島監督のお仕事の作品を見てもらうことができて幸せです。ミステリーを解き明かす格好良さを、鎌倉の風を感じながら楽しんで」と自信のほどをアピールした。
店を手伝う活字恐怖症の青年を演じた野村は、「僕的にも本を読むのが苦手なのでピッタリの役」と自虐。「三島監督には、とにかくかわいくいてくれと言われた」と笑顔を振りましたが、監督本人は「そんなこと言ったっけ? 太陽みたいな人でいてとは言った」と訂正が入ると、「そう。それ」と苦笑いでごまかした。
過去のシーンに出演した東出は「いつか監督とご一緒したいと思っていて、こんなに早く実現するとは思わなかった。自分にはない、かなりピュアな純愛ができて素敵な撮影の日々だった」、夏帆も「監督の丁寧な演出を楽しんで」と、共に三島監督に心酔している様子だ。
時代が違うため、共演シーンがなかった黒木は完成品を見て「野村さんとも話していたけれど、素敵すぎて純文学のようなお二方でした。そこからつながったところに私たちがいると感じました」とほれぼれ。だが、「ホテルでばったりお会いすることがあって、大きい人が来ると思ったら東出さんだった」と明かし笑わせた。
キャストの礼賛を受けた三島監督は、「(黒木が演じた)栞子が、どこを切り取っても本に囲まれているようにしたかった。また、本棚には背中があるので普通は抜けて見えないけれど、本を通して目線を合わせる構造で撮りたかった」と説明。そして、「誰かのことを強く思う心は、人生の中では届けられないかもしれない。でも死んだ後に誰かに届き、その人に影響を与えることもある。そういう奇跡の瞬間を見つけてほしい」と訴えた。
また、黒木は16日に、「日日是好日」で共演した樹木希林さん(享年75)の悲報に「もっとお話ししたかった」とコメントを寄せたばかり。この日は悲しみをこらえ、「時代を超えたつながりを感じられる作品です」と終始笑顔でPRに努めた。
「ビブリア古書堂の事件手帖」は、11月1日から全国で公開される。