アルフォンソ・キュアロンが「ハリポタ」監督になった裏にギレルモ・デル・トロの存在
2018年9月7日 11:00

[映画.com ニュース] 新作映画「ローマ(原題)」を携え、このほど米コロラド州で開催された第45回テルライド映画祭に参加したメキシコ出身の鬼才アルフォンソ・キュアロン監督が、「トリビュート・トゥ・アルフォンソ・キュアロン」と題されたパネルに出席。ハリウッドに本格進出するきっかけとなった監督作「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」をめぐる興味深い裏話を披露した。米Indiewireが伝えている。
2001年の監督作「天国の口、終りの楽園。」が、アカデミー賞脚本賞ならびにゴールデングローブ賞最優秀外国語映画賞にノミネートされるなど高い評価を得たことで、J・K・ローリングの世界的ベストセラーを映画化したファンタジーシリーズ第3作「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」(04)の監督に大抜擢されたものの、オファーを受けた当初はまるで興味がなく断るつもりだったというキュアロン監督。そんな彼の背中を押したのは、他でもない同郷の盟友ギレルモ・デル・トロ監督だった。
「何かあると、いつもまずギレルモに相談するんだけど、あの時も彼と直接話をしたくて会いに行ったんだ」と当時を振り返ったキュアロン監督は、「いま何か企画を抱えているのかと聞かれたから、『ハリー・ポッターの新作をオファーされたよ。あり得ないだろ?』って、ちょっと馬鹿にした感じで答えたんだ。なにせ原作本も読んでいなければ、映画も見たことなかったからね。そうしたらギレルモにいきなり『大バカ者!』って一喝された。大衆向けの娯楽作品だからといって甘く見るなと散々諭された挙句、『この傲慢野郎が!今すぐ原作本を買いに本屋に行ってこい。全冊読み終わったら、即俺に電話しろよ』ってえらい剣幕で言われてね。慌てて近くの本屋に駆け込んだのを覚えているよ」と笑って明かす。
早速ローリングの原作本を読み始めたキュアロン監督は、「アズカバンの囚人」を半分ほど読み終えた時点で、映画版でメガホンをとることが自分にとってまたとないチャンスかつ挑戦になると確信したという。「言われた通りギレルモに電話して、素晴らしい原作だと伝えたら、『ほら見ろ、このバカたれが』って、また怒られた(笑)。世界中で愛される大ヒット映画と原作本に敬意を払いつつ、しっかりと自分の作品に仕上げるのがいかに難しいかも含めて、フィルムメーカーとして実に多くを学ぶと同時に、謙虚さを身につけたという点で、結果的にかけがえのない経験になったよ」と感慨深げに語ったキュアロン監督の新作「ローマ(原題)」は、製作も手がけるNetflixで12月14日から配信される予定だ。
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