モントリオール戴冠の舘ひろし、渡哲也の祝福に感慨「今あるのは渡のおかげ」
2018年9月4日 21:50
「あぶない刑事」など作品として賞を受けたことはあるが、個人での演技賞は俳優生活43年で初めてという舘。「自分の芝居を信じていないし、いまだに迷いながら芝居をしているから、本当なのか、どうなっているんだというのが正直なところ。まあ、良かったです」と自虐を込めて語った。
受賞の一報は事務所スタッフからもたらされたが、自身の定期健診だったことを失念しており「そのついでのように、『モントリオールで何か獲ったみたいですよ』と言われたので、病院をすっぽかしていた方が気になった」と苦笑い。同映画祭での最優秀男優賞は、日本人で99年「鉄道員(ぽっぽや)」の高倉健さん以来2人目の快挙と聞かされても、「それはダメだって。高倉さんは大スターだから、一緒にしないで。でも、同じ賞を頂けたのはすごく光栄」と照れることしきりだ。
だが、吉報を受けた直後に渡哲也から「良かったな。おめでとう」と祝福されたことを明かし、「いつも『これ以上芝居をうまくなるな』と言われているから、怒られるかと思ったのでうれしかった。今の自分があるのは渡のおかげ。ただ1人、『ひろし、おまえには華がある』と言ってくれたから、それに支えられて俳優を続けてこられた」と感謝。さらに、「先代の石原裕次郎さんも、映画の賞ということで喜んでくれると思う。今度、トロフィを持って見せに行きます」としみじみ話した。
「終わった人」では持ち前のダンディーなイメージを封印し、定年後の生き方が見いだせずに右往左往する“ダメ親父”に挑戦し新境地を見せた。中田秀夫監督や原作者の内館牧子さんからも祝福のコメントが届き、「毎カット毎カット、監督や黒木(瞳)くん、広末(涼子)くんらと相談しながら作っていく現場は楽しかった。それが伝わったのかもしれないし、皆さんにお礼を言いたい」と謙虚に語った。
配給の東映・多田憲之社長からお祝いの花束を贈られ、「少しずつ実感が沸いてきた。素晴らしいものを頂いた」とあらためて感慨に浸った舘。同作は今月8日から1週間、東京・丸の内TOEIでの凱旋上映が決定し、15日以降も上映館を増やす意向が発表された。舘は、「言えと言われたので。『終わった人』は、まだ終わっていません」とダジャレ交じりにアピールした。
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