「ファースト・マン」が反アメリカ的!? アームストロング船長の子息らが反論
2018年9月4日 15:00

[映画.com ニュース] 「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴスリングとデイミアン・チャゼル監督が再タッグを組む注目作「ファースト・マン」が、イタリアで開催中の第75回ベネチア国際映画祭のワールドプレミアでお披露目された。
同作は、アメリカによる月への有人宇宙飛行計画を、アポロ11号のニール・アームストロング船長の視点で描く意欲作。ゴスリングがアームストロング船長、クレア・フォイ(「ザ・クラウン」)がその妻を演じている。ジェイムズ・R・ハンセンによる伝記「ファーストマン(ニール・アームストロングの人生)」を下敷きに、ジョシュ・シンガー(「スポットライト 世紀のスクープ」「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」)が脚色。「ラ・ラ・ランド」で史上最年少でアカデミー賞監督賞を受賞したチャゼル監督がメガホンをとった注目作である。
同映画祭のオープニング作品として披露された同作は熱狂的に迎えられ、映画批評家の評価も米批評サイトRotten Tomatoesで89%と好評。だがその後、ソーシャルメディアを通じてバッシングを浴びている。きっかけは、映画祭の会見で劇中に宇宙飛行士たちが月面に星条旗を立てる有名な場面がなかった理由をある記者が尋ねたことだ。これに対し、主演のゴスリングは「ニール自身は、自分をアメリカの英雄とは思っていなかった」と返答。月面着陸をアメリカだけではなく、全人類の偉業と捉えたアームストロング船長の意志を尊重した映像化であると弁護したが、これがアメリカの保守派層を刺激することになった。
米共和党のマルコ・ルビオ上院議員は、「これは完全に狂っている」と自身のTwitterで抗議。「アメリカ国民があの計画に金を出し、アメリカ人とアメリカのテクノロジーによってロケットは作られ、アメリカ人の宇宙飛行士を運んだのだ。あれは国連なんかのミッションではない」。ルビオ上院議員が同作を批判したことで、保守派層がいっせいに「ファースト・マン」をアンチ・アメリカ映画と批判する事態となった。
こうした事態を受けて、伝記を執筆したジェイムズ・R・ハンセン氏は、アームストロング船長の実の息子であるリックさん、マークさんと共同で声明を発表。すでに完成作を複数鑑賞しているそうで、「これが反アメリカ的な映画とはまったく思いません。実際は正反対です」と反論。「この偉大な作品を見て、ぜひ自分の目で確かめてください」と、映画を見てもいないのに批判する人々をいなしている。
なお、チャゼル監督は星条旗を立てる場面をカットした根拠について「この映画の目的は、アメリカの有人宇宙飛行計画に関して観客にまだ見たことのないもの、まだ知られたことのを提供することでした」と、政治的な意図はないと説明している。「ファースト・マン」は2019年2月に全国で公開予定。
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