松田龍平、加藤一二三のあふれんばかりの“将棋愛”にほほ笑み
2018年8月27日 21:43
[映画.com ニュース]脱サラ棋士・瀬川晶司五段の自伝的小説を映画化する「泣き虫しょったんの奇跡」の公開直前イベント試写会が8月27日、東京・よみうりホールで行われ、主演の松田龍平、共演の永山絢斗、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、豊田利晃監督、瀬川五段、佐藤天彦名人が出席した。
2006年に発表された瀬川五段著の同名小説を原作に、1度は将棋の道を諦めサラリーマンとなったしょったんこと晶司(松田)が、再びプロ棋士を目指すさまを描く。袴姿で登壇した松田は、永山、渋川、駒木根と共演した晶司のアパートでの撮影を述懐。「あのシーンは、しょったんが将棋を忘れられる唯一の時間。僕も普通に楽しんじゃいました。監督が台本にないセリフをたまに足していましたね」と独特の間合いで裏話を明かした。そして、豊田監督からすかさず「今日は一段とテンションが低い(笑)」と指摘されると「私事ですが、今日は1時間しか寝ていない……誰か助け舟出して!」と周囲に懇願していた。
劇中で描かれる瀬川五段のプロ編入試験で、最初の対戦相手となった佐藤名人。本作の出演オファーを受けていたようだが「僕のところまで話がきていなかった。連盟が断っちゃったみたい(笑)」と暴露しつつ「瀬川さんはプロになられても不思議ではないと思っていました」と当時の対局を振り返った。一方、瀬川五段は「1局目に勝てれば合格できるのではないかと思っていたほど、比重の大きい対局でした。僕は結構緊張していたんですが、当時16歳の名人は全く動揺せず、堂々としていられた」と感慨深げに語っていた。
この日は“ひふみん”の愛称で親しまれる将棋棋士・加藤一二三氏もサプライズゲストとして登場した。「夢が叶う」という花言葉を持つ青いバラを松田に贈呈すると、本作について「本当に素晴らしい映画。感動しました。ある意味、私の人生と共通している点が多々ある」と絶賛。かつて挑んだ瀬川五段との対局について「8年前に戦って勝ったんですが、ゴール寸前で見事な頑張りを見せつけられた。第2、3局では完敗」としみじみ話していたものの、続けて「瀬川さんが作戦が上手い。穴熊というものがあってですね……」と将棋愛にあふれた“ひふみん節”が止まらず。舞台挨拶のタイムリミットを気にしていたMCからトークを制止されてしまう姿を、松田らはほほ笑みながら眺めていた。
「泣き虫しょったんの奇跡」は、9月7日から全国公開。
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