死刑囚との“魂”のぶつかり合い 大杉漣さん最後の主演映画「教誨師」予告完成
2018年8月21日 17:00
[映画.com ニュース]故大杉漣さん最後の主演映画「教誨師」のポスタービジュアルと予告編が、このほどお披露目された。
エグゼクティブプロデューサーも務めた大杉さんが演じるのは、受刑者に対して道徳心の育成・心の救済につとめ、彼らが改心できるよう導く存在である教誨師(きょうかいし)。独房で孤独に暮らす6人の死刑囚と対話する主人公の佐伯保に扮し、その苦悩や葛藤を描き出す。ほぼ全編が教誨室という限られた空間での会話劇で構成され、登場人物たちの“魂”のぶつかり合いが展開していく。
プロテスタントの牧師・佐伯は、月に2回拘置所を訪れ、教誨師の役目を果たしていた。彼が寄り添うことになるのは、心を開かない無口な男・鈴木(古舘寛治)、気のいいヤクザの組長・吉田(光石研)、おしゃべりな関西の中年女性・野口(烏丸せつこ)、お人よしのホームレス・進藤(五頭岳夫)、家族思いで気の弱い父親・小川(小川登)、自己中心的な若者・高宮(玉置玲央)の6人。佐伯は、死刑囚たちと真剣に向き合いながら、長い間封印してきた自らの過去に思いを馳せていく。
予告編では、佐伯と死刑囚6人の対話の様子を活写。無言を貫く者、笑顔で楽しそうに話す者、罪の意識に苛まれて沈痛な面持ちを浮かべる者など、それぞれ全く異なる反応を見せる死刑囚たち。そのなかでも高宮は「俺が罪を認めて安らかに死んでほしいのは、あんたらじゃないか? 心が楽になるのは、あんただろ」と高圧的な態度だ。
高宮の痛烈な指摘に、思わず言葉を失ってしまう佐伯。だが「なんも知らないくせに大きなお世話になんだよ」という発言を聞くと、相対する高宮の瞳を真っ直ぐ見つめて「知らないから怖い。怖いから余計知りたくない。でも、今はあなたを知りたいと思う」と力強い言葉を投げかける。
「教誨師」は、10月6日から東京・有楽町スバル座、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開。
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