片桐仁、バンクシーの価値を生むマーケットの文脈に「乗っけてくれ!」
2018年8月17日 21:30

[映画.com ニュース] 俳優で彫刻家の片桐仁が8月17日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた「バンクシーを盗んだ男」公開記念トークショーに出席した。
舞台は、紛争地区に指定されているパレスチナ・ヨルダン西岸地区にあるベツレヘムの“分離壁”。世界から熱い視線を浴びる覆面アーティスト・バンクシーの人物像と、数千万円~1億円という超高額で取引される作品がもたらす影響力に迫る。「重いっすよね」とヘビーな内容に衝撃を受けていた片桐。「2年前に『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』を見た時はポップな印象だったんですが、描いた場所がベツヘレムになった瞬間、こんな重たい話になっちゃうのかと。我々日本人からしたら遠い外国の話なんですけど、この映画が出来たことによって“知っちゃった”わけですよ。グラフィティを巡る色々な人々の思惑を知った以上、もう無視はできない」と感想を述べていた。
「アートの価値は何を描くのかということから、誰が描くのかという点に移行していく。そして、アートの世界には価値を与える人がいて、作品を買う富豪たちがいる。そこでマーケットが出来上がる」と分析した片桐。自身も不条理なアート粘土作品を発表し続けているが「全く金にならない」ようだ。作品を購入したいと申し出る人もいないようで「『材料費くらいで作ってください』なんて無茶苦茶なことを言われることも(笑)。(自作は)サブカルチャーの範囲内。ウケたくて作っているところがあります」と語っていた。
粘土による表現方法を選択した理由は「色々な物に粘土を盛ると“無視”されない」と説明。「街中に彫刻作品って展示されているんですけど、ほとんどの人が無視、もしくはその存在に気づかない。ストーリー性のある『ハチ公』『いけふくろう』は別ですが、特に抽象的な彫刻作品はない事にされている」と語り、携帯していた“ニシキキンカメムシ型iPhoneケース”を指し示し「だから、気づいてもらうために粘土を盛る(笑)。『これ、実はiPhoneケースなんです』と明かすことで笑いになりますから」と話していた。
だが「これに価値が生まれない」と苦笑する片桐。「売り出したら、ちゃんと売れるんじゃないんですか?」とMCから問いかけられると「よく言われるんですけど、売れないんです。『1万円くらいで売ってほしい』と言われるんですが、それだと赤字。外国の人なら高く買ってくれるんじゃないかという意見もありますが、そんな人はどこにいるんですかという感じ」と切り返し、多額の金銭や価値が創出されるマーケットの文脈に「『乗っけてくれ!』って思いますよね」と胸中を吐露。しかし「そうなったらそうなったで面倒くさいんでしょうね~。きっと“タレント・片桐仁”が邪魔をするはず(笑)」と正直な思いを打ち明けていた。
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