「オーシャンズ8」超豪華なキャスティングの舞台裏は? 監督&脚本家が語る
2018年8月10日 21:00
[映画.com ニュース] サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイら豪華女優陣が集結したクライムアクション「オーシャンズ8」(公開中)を手がけたゲイリー・ロス監督、ロスともに共同脚本を務めたオリビア・ミルチが取材に応じた。全米では、ジョージ・クルーニーらが出演した前3作を超えて、「オーシャンズ11」シリーズ最高のオープニング興収を記録。ロス監督は「それぞれのキャラクターが実際にいるようなリアリティがあったからだと思う。観客が自分自身と“オーシャンズ8”の誰かを重ねることができたのでは」と世界的大ヒットを分析する。
デビー・オーシャン(ブロック)率いる女性ばかりの犯罪ドリームチームが、“ファッション界のアカデミー賞”と称されるファッションショー「メットガラ」に乗り込み、1億5000万ドル相当のダイヤを狙う姿を描く。
本作で“オーシャンズ”のメンバーを女性だけで構成した理由について、ロス監督は自身が手がけた「ハンガー・ゲーム」(2012)を例に挙げ、「この経験が、女性を主人公にした際の意味やリアクションを改めて知る機会になった。女性が主人公の映画で、今までにはなかったシチュエーションを考えてみたんだ。すると、女性だけの怪盗グループという、これまでにないアイデアが浮かんだ」と振り返る。
その上で、重要になるのがキャスティング。ブロックら3人のオスカー女優をはじめ、実力と個性をあわせ持つ女優が一堂に会すさまは、まさに圧巻だ。ロス監督が重視したのは「バランス」だといい、「チームにどんな変化や影響を及ぼすか? チームとしてユーモアが演出できるか? そんなことを逆算しながら、絶妙なバランスを崩さないよう、慎重にキャスティングを進めた」。当初から8人という設定で、「サンドラとケイトは、最初から狙っていたが、それ以外の人選は、全体を通して考えた」と舞台裏を明かした。
共同脚本のミルチも「これだけのキャスティングは、二度と実現しないでしょうね。何より、全員のスケジュールを合わせられたことが一番すごいことでしょ」と笑いを交えながら、「何より、これだけの女優が現場に集結したことで、スタッフ、キャストともに“学び”があり、相乗効果が生まれる瞬間が何度もあった。それはキャスティングの段階では、想像していなかったわ」と自信を示す。
「オーシャンズ11」「オーシャンズ12」「オーシャンズ13」を手がけたスティーブン・ソダーバーグが本作ではプロデューサーとして名を連ねるが、ロス監督によれば「脚本の段階から話し合いを重ねたし、撮影中セットに来てくれたことも。夜にはその日撮影したシーン、それに編集や音楽についても相談した」というほど、クリエイティブな面でも深く関わっている。「わたしが撮影したシーンのほとんどを彼は見たと思う。スティーブンとの良い関係がなければ、恐らく、この映画のメガホンをとることはなかったでしょう。彼には、この映画に満足してほしかったし、彼もその思いに答えてくれて、『オーシャンズ』というフランチャイズをわたしに託してくれたんだ」と互いに全幅の信頼を寄せている。
“オーシャンズ8”の面々が大胆かつ精密な犯罪計画を実行に移すように、ロス監督をはじめとするスタッフも「オーシャンズ8」を成功させるという一大プロジェクトに挑み、見事に成功させたといえるだろう。「確かに、これだけの規模の作品をまとめ上げることができただけでも、大きな達成感があるね。振り返ると、特にメトロポリタン美術館での撮影はワクワクしたよ。本当に目が覚めるような感覚だった。美術館の中でロケできたことはもちろん、実際に撮影できた美術品の数々、カメラに映り込むすべてが、歴史と価値がある本物だったんだから。とてつもない経験だったよ」(ロス監督)
世界的なヒットを受けて、早くも続編を待ち望む声もあがるが「それはちょっと早すぎる話かな」とロス監督。それでも、「続編を期待してくれるファンがいてくれるのは、本当にうれしいし、感謝しなくちゃね」とまんざらでもない様子で、「まずは日本のファンに、この作品を楽しんでもらわないと。ぜひ、メットガラのすてきな夜を満喫しながら、“オーシャンズ8”たちと一緒にとびきり高価なネックレスを盗み出してほしいね」とアピールした。
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