「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」出演者、ジェームズ・ガン監督再雇用のために公開書簡
2018年8月2日 06:00
[映画.com ニュース] マーベル・スタジオの人気シリーズ「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の主要キャスト9人が7月30日(現地時間)、過去の不適切なツイートを理由にシリーズ第3弾から降板させられたジェームズ・ガン監督の復帰を求める公開書簡を発表した。
ガン監督は2008年から数年にわたり、自身のTwitterアカウントを通じて小児性愛やレイプをネタにした挑発的なジョークを多数投稿していたが、最近になって米保守系ニュースサイトがこれら一連のツイートを暴露。その結果、マーベルの親会社であるウォルト・ディズニー・スタジオは、ガンをシリーズ3作目の監督から解雇すると同時に、今後一切のビジネス関係を解消するというシビアな決定を下していた。
主演のクリス・プラットは同日、「ジェームズによる過去の不適切なジョークは支持できないものの、彼が良い人間だと知っている僕としては、ぜひとも第3弾の監督に復職してもらいたい。もしよければ、全キャストの署名が入ったこの声明を読んでみて」というコメントと共に、自身を筆頭にゾーイ・サルダナ(ガモーラ役)、デイブ・バウティスタ(ドラックス役)、ブラッドリー・クーパー(ロケットの声)、ビン・ディーゼル(グルートの声)、ポム・クレメンティエフ(マンティス役)、マイケル・ルーカー(ヨンドゥ役)、カレン・ギラン(ネビュラ役)、ショーン・ガン(クラグリン役)の署名入り公開書簡を自身のInstagramに掲載した。
書簡の冒頭、「私たちはジェームズ・ガンを全面的に支持します。私たち一同、彼の突然の解雇には大きなショックを受けましたが、考え、祈り、耳を傾け、話し合う必要があったため、声明の発表をあえて10日間控えていました。その間、ジェームズの復職を望むファンやマスコミから、溢れんばかりの支援の声が寄せられたことに勇気づけられる一方で、彼にまつわるバカげた陰謀論をうのみにし、あっさり信じてしまう人たちに失望させられもしました」と、この10日あまりの心境を吐露。さらに、「ジェームズへの愛と支持、感謝を表明したい」と述べたうえで、「彼の過去のジョークを擁護するつもりはありませんが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ2作品を作りながら何年も一緒に過ごした経験から、解雇された彼が示した人間性は、撮影現場で見せたものと何ら変わりがないこと、また、彼の謝罪の言葉が本心から出たものだと知っていますし、私たちは変わらず彼を信頼し、愛しています」と主張した。
キャストらはまた、同シリーズが「はみ出し者たちがそれぞれ救いを見出す物語」である点をあげ、「贖罪というテーマがこれほど大事だったことは、いまだかつてありません。私たち1人1人が、親愛なる友人ジェームズと再び仕事を共にする日を待ちわびています。彼の物語はまだ決して終わっていません」と、シリーズ続行への意欲と決意を表明。
また今回解雇の原因となった過去の問題ツイートが、ガン監督のトランプ批判に反発する保守派勢力によって発掘・暴露されたことに触れ、「世論という法廷に正当な法定保護など存在しないことを考えると、ジェームズが世論に裁かれる最後の善人になるとは思えません。政治的分裂が蔓延するこの国の現状からも、こうした事例は今後も続くことでしょう。ですが私たちは、政治的立場や理念にかかわらず、全てのアメリカ人が誹謗中傷で人をおとしめたり、群集心理を武器に個人攻撃したりといったことをやめるよう願っています」とつづった。
ガン監督の解雇を巡っては、ヨンドゥ役のルーカーが抗議の意を込めて自身のTwitterアカウントを削除したほか、「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督も「右派に攻撃材料を与えるのを未然に防ぐため」との理由で過去2万件のツイートを一斉削除するなど、その影響は「ガーディアンズ」ファミリー以外にも波及しつつある。
インターネット署名サイトchange.orgに立ち上げられたキャンペーン「ジェームズ・ガン監督を再び雇うように(Re-hire James Gunn)」には、すでに約35万人の署名が集まっており、米バラエティによれば、ディズニーがガン監督を再雇用する可能性は大いにあるとのこと。現在、ディズニーのボブ・アイガー会長兼CEOが夏季休暇中であるため、最終決定が下されるのはまだしばらく先になりそうだが、主要キャストの一斉蜂起という異例の事態がどんな結果を招くのか、続報に注目したい。
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