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水道橋博士にとっての「独裁者」は“北野将軍”!?「スターリンの葬送狂騒曲」ニコ生特番開催

2018年7月30日 16:20

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(左から)中村逸郎筑波大教授、 松嶋初音、水道橋博士、松崎健夫氏
(左から)中村逸郎筑波大教授、 松嶋初音、水道橋博士、松崎健夫氏

[映画.com ニュース] ソビエト連邦最高指導者ヨシフ・スターリンの死をきっかけに巻き起こる権力争いを描き、ロシア政府が映画館での上映を禁止したイギリス発のブラックコメディ「スターリンの葬送狂騒曲」の公開を記念し、7月29日、タレントの松嶋初音が司会進行、お笑い芸人の水道橋博士がメインコメンテーターを務め、筑波大学の教授でロシア政治専門の中村逸郎氏、映画評論家の松崎健夫氏をゲストに迎えた、「ニコ生特番 水道橋博士と学ぶ【新作】『スターリンの葬送狂騒曲』」が都内スタジオで実施された。

フランスのベストセラーを原作に、エミー賞受賞とアカデミー賞ノミネートの経験を持つアーマンド・イアヌッチが監督・脚本を手掛けて映画化。スティーブ・ブシェーミジェフリー・タンバーら個性派俳優陣が実在の人物、フルシチョフやマレンコフを毒気たっぷりに演じる同作を、水道橋博士は「めちゃめちゃ面白かった」と絶賛。「長期政権の独裁者が、現実に世界中に出てきている今の世に通じるからこそ、関心が持てる」と発言し、「悲劇の歴史なのに喜劇に見える。人間味があって間違ってる」と作品の魅力を表現した。

中村教授も「ソ連を描いてこれほどよくできた映画は初めて見ました。描かれてるのは、まさにロシア。昔も今も変わっていない。イギリスが、実は移民を受け入れている分、一番ロシアを分かっているかもしれない。イギリスだからこそ描けた映画」と感心することしきり。松崎氏も、「過去を描いてるけど、現代も似てきているからこそ、映画作家が描きたくなっているのでは?」とコメントした。

タイムシフト視聴を含めると約3万人が視聴した今回の特番だが、「この人やばい」「面白い」と視聴者からのコメントを集めたのは中村教授。「お化け屋敷が好きで、怖いもの見たさでソ連・ロシア研究を始めたんです。それで性格がゆがみました」と語ったり、本作で描かれる権力闘争の末にフルシチョフが政権を取った理由を学術的に説明したかと思えば、「髪が(なく頭が)ツルツルだったことが大きい」と、レーニン、スターリン、フルシチョフと「頭髪がない人」「頭髪がある人」が交互に台頭していると独自の論理を展開するなどし、博士から「今日は帰りに粛清されないように……」との突っ込みを度々受けるほどだった。

また、視聴者投稿コーナー「あなたのまわりの独裁者」では、出演者にもお題が振られる展開に。博士に話が振られると、迷わず「北野将軍」と即答し、スタジオと視聴者を大いに沸かせた。

松崎氏は「今なぜスターリンの死を映画にするのかというと、今まさに起こっていることは描けないが、過去の同じような事象は描けるから。笑うことによって考えさせる、そして笑えなくなる、その感覚こそが警鐘になる」とまとめ、博士も「この映画、めちゃめちゃ面白いからぜひ見てください」と続けた。

スターリンの葬送狂騒曲」は、8月3日から全国順次公開。

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