新海誠作品を支えてきた竹内良貴、初監督に達成感 白石晴香は監督の“愛”を痛感
2018年7月18日 10:00

[映画.com ニュース] 新海誠監督作品のアニメスタジオとして知られるコミックス・ウェーブ・フィルム制作のオムニバスアニメ「詩季織々」(しきおりおり)のジャパンプレミアが7月17日、東京のシネ・リーブル池袋で開催され、キャストの坂泰斗、白石晴香、大塚剛央、リ・ハオリン総監督、竹内良貴監督が出席した。
本作は、中国の暮らしの基本となる「衣食住行」を共通テーマに、若者たちの過去と現在を紡ぐ。中国のアニメ業界を牽引するブランド「ハオライナーズ」の代表を務めるハオリン総監督が「秒速5センチメートル」にオマージュを捧げた「上海恋」、実写作品を手がけてきたイシャオシン監督による「陽だまりの朝食」、そして長年にわたって新海監督作品を支えてきた竹内の劇場アニメ初監督作「小さなファッションショー」で構成される。
新海監督作品をほうふつとさせる美しい風景描写、背景美術が注目を集めている本作。「君の名は。」「言の葉の庭」など多数の新海監督作品で3DCGチーフを務めた竹内監督は、「初監督の心境」を問われ「僕は10年くらい新海さんの下で作品を作ってきた。今回、初めて自分から何かを作らなければならなかった。その時に思ったのは『なんて大変なんだろう』ということがひとつ。あとは、いろんな人とコラボレーションして作品を作っていくので、『その過程をどれだけ楽しんでできるか』。すごく良い経験になった」と率直な思いを明かし、「皆さんの反応をすごく楽しみにしています」と達成感をにじませる。
一方、竹内監督作「小さなファッションショー」に出演した白石は、「台本をいただいた時に、アフレコ当日に見る映像もいただいたのですが、そのなかに監督の声が吹き込まれていて。そういった経験は今までなかったのですが、すごくわかりやすくて、演じやすかった。愛がこもっているなとわかりました。そんな監督の愛を受けて、私も良い作品にできたらいいなと思って演じました」と告白。これに対し竹内監督は、「うちの会社は、監督が絵コンテに(声を)入れないといけないので……恥ずかしかったです」と照れくさそうに語った。
また本作の企画段階から携わったハオリン総監督は、「作品内容に関しては、ディスカッションを重ねました。コミックス・ウェーブ・フィルムは、強い美術スタッフを持っていますので、それを生かして中国の独特の文化を表現したいと思い『衣食住行』というテーマを選びました」と制作過程を振り返る。そのうえで、「3つのエピソードで成り立っている本作ですが、3人の監督は、それぞれ違う視点から、中国の社会的な変化を描きたいと考えました。監督それぞれの表現の仕方も違いますし、持っている思いも違うので、是非ご覧いただきたい」と熱弁をふるった。「詩季織々」は8月4日から公開。
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