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パレスチナ分離壁に描かれた絵は幾ら?「バンクシーを盗んだ男」予告編公開

2018年6月13日 18:00

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バンクシー作品を含むパレスチナの情景 コラージュが挑発的な本ポスター
バンクシー作品を含むパレスチナの情景 コラージュが挑発的な本ポスター
(C) MARCO PROSERPIO 2017

[映画.com ニュース] 正体不明のカリスマグラフィティアーティスト、バンクシーがパレスチナとイスラエルを分断する壁に描いたアートをきっかけに、バンクシーとその作品がもたらす影響力に迫ったドキュメンタリー「バンクシーを盗んだ男」の予告編と本ポスターが公開された。

神出鬼没の活動で世界中から注目を集めるバンクシーの人物像と、数千万円から1億円で取り引きされるという作品にまつわるドラマに、イタリア人監督マルコ・プロゼルピオが迫った。ロックミュージシャンのイギー・ポップがナレーションを務めたことも話題を集めている。

このほど公開された予告編は、紛争地区に指定されているパレスチナ・ヨルダン西岸地区にあるベツレヘムに、バンクシーの壁画が描かれたというセンセーショナルなニュース映像で幕を開ける。「描いてはすぐ逃げる。まるで幽霊さ!」と話す地元住民や、「バンクシー最高!」と絵の前で笑顔を見せる子どもたちに続いて、レポーターが「パレスチナとイスラエルを分断する高さ8メートルの“分離壁”。アーティストにとっては最高のキャンバスです」と紹介。問題となった壁画のひとつ「ロバと兵士」をバックに、「この壁は世界最大のアートになる」と語るバンクシーの肉声が登場する。

ベツレヘム市長や現代アーティストの談話も交えられ、バンクシーの作品が持つ希望やメッセージ性が伝えられるが、「ロバと兵士」に反感を覚え、壁面ごと切り取って美術収集家によるオークションにかけてしまうひとり、地元タクシー運転手のワリド・ザ・ビーストは、「壁に絵を描いて偽善者ぶってやがる。バンクシーはクソ野郎だ」と声を荒げる。イギー・ポップの「彼のアートは愛され憎まれ、売られ買われ──そして盗まれる」というナレーションとともに、芸術と著作問題を浮き彫りにする映像作品だと強く印象付けられる内容だ。

あわせて公開された本ポスタービジュアルには、「アートが世界を挑発する。」というコピーが力強く掲げられ、バンクシー作品を含むパレスチナの情景のコラージュの上に、本作の原題である「THE MAN WHO STOLE BANKSY」のステンシル調の文字が踊っている。

バンクシーを盗んだ男」は、8月4日から全国順次公開。世界に先駆けての劇場公開となる。

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