【レビュー】「ハン・ソロ」若き時代の“逃亡”が伝説のアウトローを生んだ!
2018年5月25日 02:00

[映画.com ニュース] 「スター・ウォーズ」シリーズの新作「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」の日本公開まで、残りわずかとなった。映画.comは、ひと足先に若き日のハン・ソロの壮大な冒険譚に同行。「スター・ウォーズ 新たなる希望」でルークやレイアと出会う前の、知られざる過去――着目したのは“逃亡”というモチーフだ。
これまで世に放たれたシリーズの作品以上に、時は「帝国軍一強」とも言い表せる過酷な時代を背景とした本作。惑星コレリアで生まれ育ったハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)、幼馴染みの美女キーラ(エミリア・クラーク)にとって、自らの運命を変える術は、ひたすら“逃げる”ことにある。銀河一のパイロットの素質を既に感じさせるテクニックを駆使し、支配者の追撃をかわすという心躍る冒頭シーンは、意外な終着地点へ。そこはひとりの青年が“ハン・ソロ”としての1歩を踏み出す場所だ。
ハン・ソロとして歩み始めた青年の行動は、当初“帰還”を軸として展開していくのだが、ある段階でその目的意識は揺らぐ。背後から迫りくるのは、自らの命を脅かす危機。その後、彼の“逃亡”は、生存のためというニュアンスが強く押し出されていく。セリフのなかでも「逃げる」という表現は幾度となく登場し、やむなく身を投じる戦闘でも、重視されるのは「勝利」ではなく「生き延びること」。フォースなきアウトローにとって、超常的逆転劇は望めない。口八丁手八丁、はったりをかましてでも、ピンチを脱していくさまは、かつてハリソン・フォードが演じたハン・ソロのしぶとさに通じるものを感じた。
“逃げる”というアクションは、果たしてネガティブなものなのだろうか。捕らえられた人々の解放、コントロールされたドロイドたちの反乱、暗黒の時代に描かれる騒乱に希望の萌芽を抱く。相棒となるウーキー族のチューバッカとは、命からがら共に追っ手から逃れたことで終生の絆が芽生え、高速船ミレニアム・ファルコンはピンチが連続する逃亡劇を経なければ、銀河の命運を握る無二の機体へと変貌を遂げることはなかった。
クライマックスが近づくにつれ、これまでの“逃亡”は、未来への“前進”に転じる。彼の生への執着は、圧政に苦しむ人々をも“生かす”という二重の意味を内包していくのだ。本作は、何者でもなかった青年が“ハン・ソロ”へとなるために仕掛けた一世一代のギャンブルである。想像だにしない勝利と敗北を経験していく青年は、ラストシーンの時点で、確かに伝説のアウトローとなっていた。
「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」は、6月29日から全国公開。

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