犬山紙子、精神科医と過去の恋愛振り返り「もっと早く知っておきたかった!」
2018年5月15日 13:30
[映画.com ニュース]ポール・トーマス・アンダーソン監督とオスカー俳優ダニエル・デイ=ルイスが再タッグを組んだ「ファントム・スレッド」の女子限定試写会が5月14日、都内で行われ、エッセイストの犬山紙子氏と、精神科医の名越康文氏がトークイベントを行った。
映画の舞台は1950年代のロンドン。オートクチュールの仕立て屋レイノルズ・ウッドコック(ルイス)と、ウッドコックのミューズとなった若きウェイトレス、アルマ(ビッキー・クリープス)の危うくも美しい恋の駆け引きを描く。
犬山氏が、劇中でレイノルズが些細なことでアルマを叱責するシーンを振り返り、「なんで別れないんだろうと思った」と不思議がると、名越氏は、険悪な関係のカップルは「お互いにどっちが先に弱音を吐くかの勝負をしている」と分析。「恋愛関係はほとんどが格付けでマウントの取り合い。大体の場合は男が負けるんですけどね」と苦笑いを浮かべた。犬山氏が「(恋愛中は)法律も2人だけのルールで、幻想が濃い。恋愛の力って恐ろしい」と身震いすると、名越氏は「恋愛ってそんな美しいものではない。傍らから見たら病理が裏にあって、燃え上がる恋愛って半分はダークな世界」と精神科医としての意見を述べた。
さらに、「レイノルズは全身的な知覚過敏」だといい、「イヤホンを聞いていて、普通の人は普通に聞いていても、(音量が)うわっとなる人がいるでしょ? それが自分の彼氏だったら気を付けて下さい(笑)」と“知覚過敏”な人が存在すると解説。これを聞いた犬山氏は、「才能肌の人ってそういう気が……。もっと早く知っておきたかった! 才能肌の人とお付き合いするとコミュニケーションが噛み合わなくて、自分がないがしろにされている気持ちになった」と自身の経験を述壊した。
名越氏は、そんな“知覚過敏”な人と結婚するのは「晩婚か年上の方がいい」と断言。「相手を直そうとしない。諦めているほうがいい。言ってやってくれたらそれでいいと思うこと。こういう人って、言わないと自分の世界のことで(頭が)パンパンなの」と上手な付き合い方を伝授していた。
「ファントム・スレッド」は、5月26日から全国公開。