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アリはどの脚から歩き出す? 山崎努主演作「モリのいる場所」特別映像公開

2018年5月4日 09:00

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自宅から一歩も出ず、「仙人」と呼ばれた画家を演じた山崎努
自宅から一歩も出ず、「仙人」と呼ばれた画家を演じた山崎努
(c)2017「モリのいる場所」製作委員会

[映画.com ニュース]山崎努樹木希林が初共演で画家・熊谷守一夫妻を演じた人間ドラマ「モリのいる場所」。庭を愛し、30年間ほとんど外に出なかった画家として知られている主人公のモリに扮した山崎が、その庭でのアリの行進を見つめる特別映像と場面写真が公開された。

沖田修一監督が、時流に無頓着で文化勲章も辞退し、「仙人」と呼ばれた守一と、そんな夫との暮らしを楽しんでいる妻・秀子の結婚52年目(昭和49年)のある1日の物語を紡ぐ。

また、神奈川県の葉山にある空き家だった古民家を、熊谷家として一から作り上げた美術担当の安宅紀史氏のインタビューも入手。「広い庭があると家のほうも立派な豪邸という場合が多いのですが、あの家はほぼ理想通りの簡素で古びた家で、庭も広い。しかも隣接した2軒分の庭も使えることになって、ここを見つけられたことは奇跡のようでした」と振り返る。

そして、制作過程を「家のなかも自由に手を加えられたので、壁を抜いたり、出入り口を別につくったり、いろいろ細かい加工を施しました。例えば縁側は、元はカーペット敷きだったのを剥がして板床に張り替え、塗装と汚しをほどこして。ただし縁側のへりが擦り切れているところは、元のままを生かしています。元々の庭にも、木や草が生えていました。そこに、モリが散策する小道をつくったり、草木を足していったり、古い塀を建てたりといった作業でモリの庭をつくっていきました」と説明。

撮影に入ってからは「俳優とカメラの間の植物が邪魔になったりしましたが、だからって引っこ抜いたりしたくないですよね。俳優もスタッフも、庭を踏み荒らさないよう、ものすごくデリケートに動いて、植物たちもまた登場人物の一部のように扱っていました」と明かし、「何より、山崎さんや樹木さんが、庭を見て喜んでくださったことが嬉しかったです。『あの庭に一歩入ればモリの世界に入っていける、それだけで役に入れる』とおっしゃってくれました」と述懐した。

モリのいる場所」は、5月19日から東京・シネスイッチ銀座、ユーロスペース、シネ・リーブル池袋、イオンシネマほか全国で公開。

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