桜井日奈子、母からの手紙に感涙 吉沢亮はハンカチ手渡しで紳士的フォロー
2018年4月28日 13:20
[映画.com ニュース] 吉住渉氏による人気少女コミックを映画化した「ママレード・ボーイ」の公開記念舞台挨拶が4月28日、東京・丸の内ピカデリーで行われ、ダブル主演の桜井日奈子と吉沢亮をはじめ、共演の佐藤大樹、優希美青、筒井道隆、谷原章介、中山美穂、メガホンをとった廣木隆一監督が舞台挨拶に出席した。
27日に全国293スクリーンで封切られた今作は、互いの両親が離婚し、しかもパートナーを交換して再婚したことから共同生活を送ることになった男女の恋愛模様を描く。等身大の健気なヒロイン・光希役の桜井は、初主演映画の公開に「クランクインする前から、舞台挨拶を妄想していました。今日、それがかなって本当に嬉しい」とほほ笑み、「作品をひとつ作るのに、どれだけたくさんの人の思いが詰まっているか。それを強く感じました。たくさんの人の愛が詰まった作品です」と自信をみなぎらせた。
クールだが優しさを秘めた松浦遊役の吉沢も、「今までの舞台挨拶とは違った心境。いつもはドキドキするんですが、今日は神妙というか、この日が来るんだなというか」といい、「改めてたくさんの人に見てもらいたいです」と呼びかける。一方で桜井は、現場を振り返り「精神的な面でもお芝居の面でも、引っ張っていただいた」と感謝を示し、「デビューしてそんなに経っていないなかで、廣木監督や中山さん、谷原さん、筒井さん、檀れいさんたちとご一緒できて、女優業をやっていくなかで糧になる経験でした」と充実感を噛み締めた。
さらに、この日は桜井の母からの手紙がサプライズで披露され、桜井は「えっ、嘘だ!」と素っ頓狂な声を上げた。「初主演映画公開おめでとう! 娘のあなたがお仕事をいただいて活動していることが、いまだに不思議に思う時がある母ですが、実際にこの映画を見て、監督はじめ作品に携わる皆様方とのいい出会いに恵まれたことをとてもうれしく思っています」「恋は甘いだけじゃない……ですが、人生もまた甘くはありません。この先迷ったり、遠回りすることもあるでしょうが、経験すべてが財産だと思って、あなたが主役の人生を精一杯輝いて歩んでくださいね。いつも心はそばに……応援しています」と読み上げられると、桜井は口元を押さえながら「なにも聞かされていなかったので……。ああ、泣いてしまった」。瞳から大粒の涙を流し、「舞台挨拶で涙している方を、たまにニュースで見たりします。『私だったら泣かない!』と思っていたんですが、ずるいですね、これは。泣いちゃいました」と言葉を絞り出した。
続けて、「母が言うように、自分が仕事をしていることが信じられないくらい。奇跡が重なってここにいることを、毎回思います。応援してくれる方々に恩返しできるように精進していきます。サプライズってすごい。今日はコンタクトしているから、涙が流れないかと思っていました。全部吸っちゃうから」と率直な胸中を明かし、場内を和ませる。吉沢は即座にハンカチを手渡すなど紳士的なフォローを見せており、桜井は目元を拭いながら「洗って返します……」と恐縮しきりだった。なお2人には、原作者・吉住氏からのイラストも贈られた。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。