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金子雅和特集開催 乙一、「失はれる物語」映画化に「本当に美しい作品」

2018年4月15日 17:00

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金子雅和監督(右)と作家の乙一
金子雅和監督(右)と作家の乙一

[映画.com ニュース]海外映画祭で計10冠を獲得した映画「アルビノの木」が4月21日より凱旋上映されることに先駆けて、金子雅和監督の過去作品を紹介する特集上映が4月14日、東京・池袋のシネマ・ロサでスタート。その上映を記念して、金子監督と作家の乙一によるトークショーが行われた。

害獣駆除に携わる若者の苦悩を通じて浮かび上がる、人間のエゴイズムや現代日本社会への疑問を独自の映像美で映し出した「アルビノの木」は2016年7月に劇場公開。その後も、昨年12月に行われたフォルモサ台湾国際映画賞2017で3冠に輝いたのをはじめ、海外映画祭で計10冠を獲得している。その「アルビノの木」凱旋上映を記念して行われた今回の特集上映では、そんな金子監督の軌跡をたどるべく、過去作9本を3プログラムに分けて上映する。

特集上映初日となった14日には、「ショウタロウの涙」(2000)、「水の足跡」(2013)、そして乙一原作の「失はれる物語」(2009)の3本を上映。そして上映後には、金子監督と作家の乙一がゲストとして来場した。事故で右手以外の全感覚を失った全身不随の夫とピアノ教師の妻、肌の感触のみで交わされる夫婦の心を静寂でストイックな映像美とともに描き出した「失はれる物語」について「本当に美しい映画でした」と感想を述べた乙一は、「よくあの小説からここまでイメージをふくらませましたね。すごいなと思いました」と感心した様子を見せた。

二人の接点は、本作でヒロインを務めた小深山菜美が、金子監督の映画と安達寛高監督(乙一)の映画、両方の作品に出演していたということからだという。「二人はきっと合うはずだ」という小深山の紹介で乙一に会うことになった金子監督は、その時に「失はれる物語」の映画化を打診したという。だが、乙一原作の映画は多く制作されており、金子監督自身、「映像化するのが難しい原作ですし、挑戦」だと感じたというが、「ただ低予算の企画だったので、だからこそいろいろな挑戦が許された、よくこういう企画でやらせてくれたなと思いますが、(出資者に)気に入ってもらえたので良かったです」と笑顔を見せた。

もともと金子監督が「失はれる物語」の原作を読んだのは、「64 ロクヨン」の瀬々敬久監督の薦めがあったからだという。「僕が、『すみれ人形』を作る時に、瀬々監督に指導を受けて、シナリオを書いていたんです。それは片腕を失った女性の物語なので、ちょうど手をモチーフにした本や映画をいろいろと見ていた時だったんです。その時に瀬々監督からこういう小説があるぞと勧められたのが『失はれる物語』だった。当時は読みながら、これは映画化できないなと思ったんですが、まさにその4年後に乙一さんとお会いすることになって。それであれに挑戦できないかと思ったんでしょうね」と振り返った。

一方の乙一は、「この映画を見るたびに、この病院は素敵だな、この病院で自分も撮影できたらいいなと思うんです」とほれぼれ。オムニバス映画「ぼくたちは上手にゆっくりできない。」の一編で、安達寛高監督(乙一)がメガホンをとった「Good Night Caffeine」の撮影を金子監督が担当したことを振り返り、「あの時はいろいろと病院を探しましたね。本当にお世話になりました」と謝辞を述べる一幕もあった。

今回の特集上映は4月20日まで池袋シネマ・ロサにて。「AURA」(98年/11分)、「ショウタロウの涙」(00/30分)、「すみれ人形」(07/63分)、「鏡の娘」(08/18分)、「こなごな」(09/10分)、「失はれる物語」(09/34分)、「復元師」(10/29分)、「逢瀬」(13年/36分)、「水の足跡」(13年/30分)の9本を上映予定。会期中は金子監督と、瀬々敬久監督、内田伸輝監督、出演者の山田キヌヲ松蔭浩之、画家の山口晃らが日替わりで登場するトークイベントが連日行われる。詳細は公式HP(http://www.albinonoki.com/)で告知する。

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