松田龍平「泣き虫しょったんの奇跡」撮影での苦労明かす「いろいろさらけ出した」
2018年4月9日 18:00
[映画.com ニュース]脱サラ棋士・瀬川晶司五段の自伝的小説を松田龍平主演で映画化した「泣き虫しょったんの奇跡」のヒット祈願が4月9日、東京・鳩森八幡神社で行われ、松田と共演の野田洋次郎(RADWIMPS)、豊田利晃監督、原作者の瀬川五段が会見を行った。
映画は、2006年に発表された瀬川五段著の同名小説を原作に、1度は将棋の道を諦めサラリーマンとなったしょったんこと晶司(松田)が、再びプロ棋士を目指すさまを描く。晶司は、プロ棋士の登竜門である新進棋士奨励会を年齢制限で退会することに。絶望と喪失感に襲われるが、将棋への強い思いや仲間の支えでアマチュアとして頭角を現し、前代未聞のプロ再挑戦に向けて動き出す。
撮影は2017年8月中旬~10月初旬に行われており、作品は完成済み。勝負の神様として知られる同神社の将棋堂でのヒット祈願を終えた松田は、「素晴らしい映画になった。将棋の神様にヒット祈願をしたので、ほほ笑んでくれたらいいなと思います」と晴れやかな表情を見せた。
豊田監督は、「青い春」(2002)以来約16年ぶりに松田を主演に迎え、「いつも松田龍平主演でどんな映画が作れるか考えています」「面白かったですね。楽しかった」と大満足の様子。一方の松田は、「(撮影中は)結構きつかった。瀬川さんの半生と繋がる部分を感じたし、自分のなかでどこまで出したらいいのか……。そういう意味では、今回の映画でいろいろさらけ出したというか、自分を隠すことなくやらせていただいたという感じで、すごく大変でした」と本音を吐露。それでも、「そういう映画を豊田さんとまたできて良かったし、素晴らしいタイミングだったんじゃないかと思います」と達成感をにじませた。
また松田は、プライベートでも交流があり、映画初共演となった野田の演技について、「やっぱりすごい。才能があふれ出てる」と絶賛。野田は「いい加減にしろよ(笑)」と照れた表情を見せたが、松田は意に介さない様子で「ミュージシャンとは思えないというか、逆に役者じゃないからこういう空気感が出せるのかなと思った」と称えていた。
撮影には途中参加となった野田は、主演としての松田の立ち振る舞いや現場の雰囲気に「圧倒された」と話し、「人の一生っていろんなフェーズがあって、自分がどうしてもシンクロして響いてしまう部分、苦しいとき、嬉しいとき、そういうところが自分に触れすぎてどうしようと(松田が)言っていたときは『なるほど』と思ったし、そこでもがいている姿を近くで見れたのは嬉しかったです」と当時を振り返った。
豊田監督は、「僕は幼いころから奨励会にいて挫折した人間。挫折するまでは瀬川さんの物語に共感する部分があるが、僕は将棋を憎んじゃった。原作を読んだときに憎しみみたいなものが消えて、そういう生き方もあるんだとすごく感動した。ちょうど監督をはじめて20年目、10本目の映画。自分の人生で大きな意味を持っている将棋という世界の映画を作れたことに、すごく感謝しています」と謝辞を述べ、「夢破れた経験のある人たちに届けたいですね」とニッコリ。瀬川五段は、「(映画化を)最初は信じられなかったのですが、素晴らしい監督・キャストでやっていただいて、夢のような話で嬉しかったです」とはにかんでいた。
「泣き虫しょったんの奇跡」は、今秋全国で公開。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
コンコルディア Concordia
【衝撃のAIサスペンス】優秀な若者が殺された…そこは“20年間、犯罪が起きていない町”だった。
提供:hulu
映画料金が500円になる“裏ワザ”
【知らないと損】「2000円は高い」という、あなただけに教えます…期間限定の最強キャンペーン中!
提供:KDDI
グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
【最速レビュー】絶対に配信開始を待ってはならない映画。間違っても倍速で観てはいけない。
提供:東和ピクチャーズ
クリスマス中止のお知らせ
【「ホーム・アローン」級クリスマス映画の“新傑作”】おもしろ要素全部のせ、まさかの涙も…
提供:ワーナー・ブラザース映画
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに、3つの殺人に関与しており、そのすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世に暴くよう依頼。藤井が調査を進めると、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになっていく。ジャーナリストとしての使命感と狂気の間で揺れ動く藤井役を山田孝之、死刑囚・須藤をピエール瀧が演じ、「先生」役でリリー・フランキーが初の悪役に挑む。故・若松孝二監督に師事した白石和彌がメガホンをとった。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。