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中山忍、震災風化を危ぐ「被災者に思い寄せることはムダではない」

2018年3月24日 18:30

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被災地での体験を語った中山忍
被災地での体験を語った中山忍

[映画.com ニュース]ドキュメンタリー映画「一陽来復 Life Goes On」が3月24日、東京・新宿K’s cinemaでムーブオーバーの初日を迎え、尹美亜(ユン・ミア)監督と女優の中山忍が舞台挨拶を行った。

東日本大震災から6年後の岩手、宮城、福島の被災地で暮らす人々の「今」を追った作品。中山は、昨年製作された映画のナビゲート番組でナレーションを担当した縁で、尹監督の依頼を快諾し駆けつけた。

中山自身、震災の約1カ月後に岩手・釜石の避難所を訪れ炊き出しを行った。以降、機会を見ては被災地に足を運び、慰問を続けており「今の日本で、何万人もの人が亡くなってしまうなんて想像もできなかった。釜石に知り合いがいて、自分も何かしたいという思いだったが、遊びに行った時の風景が根こそぎなくなっていたことに衝撃を受けた」と当時を振り返った。

さらに、「当時より今の方が、震災に対して怖いという気持ちが強い」と素直な胸中を明かし、風化されることを懸念。客席には現地で交流を深めた男性の姿もあり、「当時は中学生でまだ子どもで、どれだけつらかっただろうと思っていた。それでも、立派に成人してくれた。これからも、大人として見守っていけたらと思う」と呼び掛けた。

尹監督は、「被災者の方が見て、つらいと思わないように」と、津波やがれきなど恐怖を喚起させる映像は一切入れなかったという。中山も、「映画を見て、つらくても笑おうという気持ちになった。私たちは無力で、寄り添うことしかできない。映画を見て考える機会を持ったり、(被災者に)思いを寄せることはムダではない、すてきなことだと感じてほしい」と訴えていた。

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