ゆうばりファンタランド大賞は「カメラを止めるな!」 上田監督“叛逆映画祭”と合わせて3冠に感激
2018年3月19日 16:00
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[映画.com ニュース] ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の最終日イベント「さよならビュッフェ」が3月19日、北海道・夕張の合宿の宿ひまわりで行われ、夕張市民や観客のアンケートを基に選ぶ「ゆうばりファンタ」の各賞が発表された。観客賞に相当する大賞は「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督に決まった。
同作は生番組のために、ワンカットでゾンビものを撮ることになった撮影隊の姿を、笑いあり、涙ありで描くエンタテインメント。劇中内映画の「ワン カット オブ ザ デッド」は、「ゆうばりファンタ」に対抗して開催された「ゆうばり叛逆映画祭」でも、特殊効果賞と優秀作品賞に選ばれており、ゆうばり3冠となった。
壇上に上がった上田監督は「午前のバスに乗る予定だったのですが、スタッフの方に『ちょっとあるから戻ってきてくれ』と言われたので、何かあるのかな?と思っていたのですが(笑)、賞をいただき、驚いています。僕は見てくれた方に絶対に楽しませるぞ、笑わせるぞ、と思って映画を作っているので、観客賞をいただけて嬉しい。まだ、作品の存在自体を知らない人が多いと思うので、6月の劇場公開に向けて、大きな励みになります」と喜びを爆発させた。
ゆうばり市民賞は、長年、夫の岡本喜八監督作品をプロデューサーとして支え、「ゆずり葉の頃」で監督デビューした中みね子監督。岡本監督の死去から10年が経ち、脚本家を目指していた頃の旧姓を名乗り、76歳にして新たな映画人生の一歩を踏み出したことが評価された。けがのため、現地入りが叶わなかった中監督に代わり挨拶した長女の岡本真実氏は、感激で涙が止まらなかった。「上映の時にたくさんのお客さんがいたことを母に伝えたら、『私が行くよりあなたが行ってくれてよかった、心の繋がった場所にあなたが行けたことが嬉しい』と言ってくれた。こんな賞をいただけたから、母が大喜びする姿を想像しながら、今日は帰りたいと思います。本当にありがとうございました!」と声を震わせた。
イベント賞は、三船敏郎レトロスペクティブ企画「MIFUNE:THE LAST SAMURAI」と「羅生門 デジタル完全版」の上映に対して。人物賞は「スティルライフオブメモリーズ」の矢崎仁司監督に贈られた。ゆうばりファンタの動員数は1万2522人。スクリーン数は減少したものの、昨年(1万2516人)を上回った。
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