注目女優・小川紗良の監督作「最期の星」は自身の高校時代の実体験をもとに製作
2018年3月18日 22:55

[映画.com ニュース] 若手注目女優の小川紗良が監督を務めた短編映画「最期の星」が3月18日、北海道・夕張市で開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」のゆうばりチョイス・ショートフィルム・ショウケース8で上映された。舞台挨拶に立った小川監督が、観客とのQ&Aに応じた。
早稲田大学に在学中で、女優としては「イノセント15」「ウィッチ・フウィッチ」などで主役をはり、監督としては「あさつゆ」「BEATOPIA」と続けて本映画祭で上映されている小川監督の新作。高校生活に馴染めず友だちもいない琴子が、闘病のため1度も登校したことがない女子生徒“さっちゃん”と交流する様子を、幻想的かつみずみずしい演出で紡いだ。
3年連続の参加となった小川監督は、物語が生まれた経緯を「私が高校生だったときの実体験をもとに作っています」といい、「当時、自分が持っていた死生観や、特定の女の子のことばかりを考えてしまうことなど、そういうことを描けたら」。琴子が帰宅した際に「ただいま、おかえり」とつぶやくことに対しては「私自身が鍵っ子。家に帰った時に、防犯のため自分で『おかえり』と言い、家に人がいるようにみせていた」と語り、過去作から通じて電車が印象的な装置になっている点には「私が電車に乗ることが好きで、散歩するときも沿線の1日自由きっぷを買って旅するんです。自然と映画にも電車が出てくるのかな」「電車に乗ると、物語が動き出す気がしています」と述べていた。
同大で教鞭をとる是枝裕和監督が監修を務めているが、「企画から編集まで是枝さんのアドバイスを頂いていました。授業のなかで繰り返し言われていたのは、『こういう編集や描写は、おじさんにはきついなあ』と(笑)」と振り返りつつ、「この作品は、自分自身が女子高生だったときの気持ちを描いているので、女の子や、かつての女の子に一番届くようにつくれたら、と思っていました。是枝さんが言われたことも取り入れつつ、自分の考えも貫いた、という感じです」と芯の強いクリエイター魂をのぞかせていた。
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018は、3月19日まで開催。
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