大ブレイクの小林勇貴監督、夕張への思い語る「ゆうばりロスで廃人になって、商業監督になった」
2018年3月16日 22:00
[映画.com ニュース] 間宮祥太朗が初主演した映画「全員死刑」などで活躍する若き鬼才・小林勇貴監督が3月16日、北海道・夕張市の夕張商工会議所で開催中の「ゆうばり叛逆映画祭」で短編映画のトークイベントに映画監督で、特殊造型プロデューサーの西村喜廣氏とともに出席した。4人のインディーズ監督を相手にトークを展開し、大学生の監督には「60分以上の作品を撮った方がいい」とアドバイスを送った。
2016年、都内の広告制作会社に籍を置きながら、地元・静岡県富士宮市の不良仲間とともに作ったインディーズのバイオレンス映画「孤高の遠吠」が「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」のメインプログラム部門「ファンタスティック・オフシアター・コンペティション」のグランプリを受賞した小林監督。この時、西村氏に才能を認められ商業映画のきっかけをつかんだことから、「ゆうばりファンタ」に対抗して開催される「ゆうばり叛逆映画祭」に参加した。
「いろんな映画祭でも評価を頂けましたが、夕張は特別。まるで“映画孤島”に監禁状態になる。映画を見るか、映画の話しかできない、この幸せはほかにはない。これからは、もう映画だけにしてほしいと思った。東京に戻ってからは、会社にも行きたくなくなって、廃人になった。その結果、映画に向き合う覚悟をくれた」と、映画の街、夕張への思いを語った。
商業映画第2弾で、団地内の抗争を描いたコミカルホラー「へドローバ」(17年12月)は上映館のアップリンクで1週間連続満席を記録し、NGT48・北原里英の卒業記念曲「春はどこから来るのか?」のミュージックビデオを監督するなど大ブレークを果たしている。この日は、脚本を担当したアイドル映画「神宿スワン」のトークイベントの司会、深夜のイベントに登場し、叛逆映画祭でもフル稼働だ。
小林監督は「母子家庭で、母親が働いていたラーメン店の控室で、置いてあったビデオを見まくったのが映画との出合い。西村さんと出会ってから、生活がガラリと変わった。一時はAVのモザイク処理をして金を稼いでいたが、映画で食えるようになった」と話す。そのユニークな経歴は自叙伝「実録・不良映画術」に記している。
年内いっぱいスケジュールが詰まっている。「(西村氏プロデュースによる)2本の長編映画、民放局の連続ドラマの企画が決まっています。やりたい映画やアイデアは頭の中にいっぱいあるので、楽しくて仕方がない。来年も夕張に作品を持っていきたい」と意気込んだ。
ゆうばり叛逆映画祭は18日まで開催される。
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