大野雄二「角川映画シネマ・コンサート」の化学反応に期待 市川崑監督らとの秘話も
2018年3月6日 17:00
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[映画.com ニュース] 角川映画の名作をオーケストラの生演奏で楽しむことができる「角川映画シネマ・コンサート」の制作発表会見が3月6日、東京・飯田橋の神楽座で行われ、音楽家の大野雄二、松崎しげる、ダイアモンド☆ユカイが出席した。
開催第1弾なる今回は、角川映画の第1作にしてミステリー映画の金字塔となった横溝正史原作、市川崑監督の「犬神家の一族」(1976)と、森村誠一原作&佐藤純彌監督による「人間の証明」(77)、「野性の証明」(78)の映画音楽にフォーカスを当てる。当日は3作品の劇伴を手がけた大野が、本公演のために編成された総勢50人におよぶスペシャルオーケストラバンド「大野雄二と“SUKE-KIYO”オーケストラ」を引き連れ、各作品のハイライト映像をバックに、自らステージで演奏する。
「犬神家の一族」での思い出を問われると「市川さんは音を出すと、ほとんど『違う』と言われたんです。その場で何度も直しましたね」と述懐。一方、佐藤監督は「一切文句を言わない方。全てお任せしてくれた。市川さんとは正反対なんです」と告白した。また、今回取り上げる3作品の共通点としては「角川がやりたかったことは、台本、音楽アルバム、作品の3つを、映画が封切られた日に世に出すということ。この形を初めて打ち出したんです」と説明していた。
「戦士の休息」(「野性の証明」エンディング曲)をゲストボーカルとして披露する松崎は「角川映画というものは、僕にとって青春ど真ん中の存在。それにルパン世代の僕にとって、大野さんは憧れの人です。一緒にステージに立てて、すっごく嬉しい」「原曲を崩す気はないですが、どこかでシャウトできたらいいですね。音楽のルールを外さない程度に、少し枠から外れてやってみようかな」と意気込みを明かした。一方、ジョー山中が歌い上げた「人間の証明のテーマ」を歌唱するユカイは「『人間の証明』が封切られたのは、自分が高校1年生の時。元々マザコンなので、母の物語には弱いんです(笑)。大野雄二さん、松崎しげるさん、自分が憧れた先輩たちとステージに立てるのは、本当に光栄です」と思いの丈を述べていた。
「(松崎の声は)バシーンとくるのがすごい。前に歌っていた人のイメージを引きずらないで、普通に歌ってもらえたらいい」と松崎の歌唱を評した大野だったが、ユカイについては「はっきり言ってそんなに知らないんですよ(笑)」とばっさり。だが、その言葉とは裏腹に「それがミソ。松崎さんはある種こうやってくれるだろうというのがある。ユカイさんはとにかくやってみたかった。なんか面白くなりそうだなと」と意図があったようだ。そして「ステージというのは、立ってしまうと年齢は関係ないんですよ。僕も作曲をやっていますけど、大元はプレイヤーです。プレイヤーの血が流れる作曲家でありたいと思っている。その場で“どうなるかわからない”ということを楽しんでやっていただきたい」と2人との化学反応に期待を寄せていた。
この日は、3月12日に56歳の誕生日を迎えるユカイを祝福すべく、「犬神家の一族」に登場するスケキヨの足を模したバースデーケーキが登場。「ちょっと怖いですね…。食べると呪いがかかるとか、殺されたりとかしないですよね?」と不安げなユカイだったが、松崎にケーキを食べさせてもらうとニッコリ。「年をとるって、悪いことじゃないんですね。素敵な先輩たちに囲まれて、こんなに恐ろしい誕生日ケーキ、初めての経験です!」と喜びを爆発させていた。
「角川映画シネマ・コンサート」は、4月13、14日に東京国際フォーラム・ホールAで開催。13日は午後6時開場、午後7時開演。14日は午後1時開場、午後2時開演。
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