映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック
その他情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

「ぼくの名前はズッキーニ」監督とNHK「ニャッキ!」作者によるストップモーションアニメ対談

2018年2月9日 15:30

リンクをコピーしました。
クロード・バラス監督と伊藤有壱氏
クロード・バラス監督と伊藤有壱氏

[映画.com ニュース]世界最大のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭で最優秀賞と観客賞、第89回アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされたストップモーションアニメ「ぼくの名前はズッキーニ」が2月10日公開する。クロード・バラス監督と、同作に大きな感銘を受けたという、NHKEテレ「ニャッキ!」で知られるアニメーションディレクター伊藤有壱氏が語り合った。

アルコール依存症の母親と2人きりで暮らす9歳の少年ズッキーニ。ある日、思わぬ事故で母親を亡くし、親切な警察官に保護されて孤児院で暮らすことになったズッキーニが、新たな環境の中で自分の居場所を見つけていく姿を描く感動作。フランスのアカデミー賞といわれるセザール賞でも最優秀長編アニメーション賞と最優秀脚色賞を受賞している。

伊藤 「『ぼくの名前はズッキーニ』は、自分の宝物にしておきたいような、そういう幸せな気持ちになる映画でした。言葉にとらわれずに、心が解けていくような優しさを感じる、本当に特別な体験でした。以前バラス監督の短編を見て、とても個性的な作品を作られる方だなと感じていましたが、その後、この初長編作を見てまた印象が変わりました。監督の中で変化か何があったのでしょうか?」
バラス 「ありがとうございます。伊藤さんの感想をうれしく思います。『ズッキーニ』原作では、登場人物たちがいか自分たちの心の傷を再生していくか、というところに焦点が当てられています。私はそこを映画化したく、スタッフたちも私のその思いに賛同してくれたと思うのです。難しい状況をいかに乗り越えて生きていくか、傷ついた心をいかに癒していくか、またそれが可能だということを描きたかったのです。求められる技術はたくさんあるけれど、自分にとって一番大事なのはそこではなくて、アニメーションを通してどういう感情を表現するかでした」

「長編を作ろうと思ったのは、2006年のことです。伊藤さんがご覧になった短編を作る前から『ズッキーニ』の構想があり、準備をしながら作った平行して4本短編を作り、その4本を作った同じスタッフとともに、最終的に『ズッキーニ』へ向かって行きました」

伊藤 「つまり、チームを育てていたのですね」
ズッキーニとニャッキがコラボ!
ズッキーニとニャッキがコラボ!
バラス 「そうです。短編でさまざまなことを吸収、学習しながら、スタッフ全員で作り、信頼感もできあがっていきました。短編を作るときは、1~2週間休まずに集中して短期間で仕事をしていくことができます。しかし、長編の場合はそうはいきません。休まずに何年もの間、作り続けるとくたくたになってしまいます。ですから、長くひとつの作品に関わるためには作業全体を単純化していかなければならない。そのために時間をかけて考えて、準備をしなければならない。シンプルにすることが長い作品を作ることだと学びました」

「伊藤さんの『ニャッキ!』はすごくシンプルだと思います。色をたくさん使っているわけではなし、フォルムも基本的には1種類で、そこに変化をつけていく。動きの変化をつけることで、たくさんの笑いであるとか、さまざまな感情をそこで表現できますね」

--ストップモーションアニメの魅力は?
伊藤 「僕は、手描きやコンピューターのアニメを作ってきて、最後に粘土にたどり着きました。自分の手で触るということで、良いことも悪いこともすべて率直に形に出る。あまりに誠実すぎる素材に接すること自体が、自分のクリエーション。それは作品にはっきりと出るので、ごまかしのきかない表現の魅力というのを、一生続けていきたいと思ったのです」
バラス 「僕も同じです。イラスト、CGとやってきて、そしてパペットと言う流れです。パペットを作ることは、とてもフィジカルなこと。“もの”を使って、映画で言わせたいことを感じさせる。それは、マスクをつけて演技をするような感じもするし、マジカルなことでもある。手で触って物を作る、手で触って人形を動かす、そのすべてがやっぱりごまかしのきかないことであるし、後戻りできないことであるということが魅力」
伊藤 「後戻りできないですよね。私たちは共通の苦労を経験していると思います」
--キャラクターと物語、どちらから先に作られるのでしょうか?
画像3
バラス 「私の場合は、ストーリーとキャラクターを行ったりきたりしながら、最終的に物語が出来ていきます。もちろん、長編を作るときにどんなことをアニメーションにしたいかというような構想はざっくりとあります。それに対して、キャラクターができる。そして、キャラクターを作りながら、それがストーリーにも影響し、ストーリーが深まると、またキャラクターに影響を及ぼすというサイクルで、いったりきたりして作っていきます」
伊藤 「それはバラス監督の作品を見て、納得できました。僕は短編を作るのが好きで、今は長編作る発想がないのですが、最初に浮かぶのはアイディアです。それは、テーマ的なことだったり、形だったり。『ニャッキ!』の場合は棒1本というキャラクターを何とかしたい、その一言から生まれました。ひとつのアイディアがどんな形をとっていくのか、すべて自由な状態で、アイディアに従って短編を作っています」
--これまでどのような映画作品に影響を受けましたか?
伊藤 「やはり、好きな作品は短編アニメーションが多いです。一つ挙げるなら、カナダのコ・ホードマンのストップモーション作品『サンドキャッスル』。砂が勝手に生き物のように城を作り、風が吹いて元に戻っていくというストーリー。それが、アニメーションを作りたいと感じたきっかけの一つです。長編製作の醍醐味とは別の視点で、僕は短編でいい作品を作っていきたいですね」
バラス 「私の故郷のスイスを舞台にしたアニメーション『アルプスの少女ハイジ』が子供の頃放映されていて、日本の高畑勲さんや宮崎駿さんが作られたいうことで、面白いと思っていました。『もののけ姫』は自分が見た最近のアニメーションで一番強いインパクトを与えられました。実写ではヨーロッパの作品をよく見ます。二人とも全く違うタイプの監督ですが、ケン・ローチラース・フォン・トリアー監督の作品が好きです」

ぼくの名前はズッキーニ」は、2018年2月10日から新宿ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMAほかで全国で公開。

クロード・バラス の関連作を観る


Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

コンコルディア Concordiaの注目特集 本日配信開始 注目特集

コンコルディア Concordia NEW

“20年間、犯罪が起きていない町”で、殺人事件が起きた――洋画ファンの睡眠時間を奪う衝撃作

提供:hulu

レッド・ワンの注目特集 本日公開 注目特集

レッド・ワン

見たことも聞いたこともない物語! 私たちの「コレ観たかった」全部入り“新傑作”誕生か!?

提供:ワーナー・ブラザース映画

十一人の賊軍の注目特集 注目特集

十一人の賊軍

【本音レビュー】嘘があふれる世界で、本作はただリアルを突きつける。偽物はいらない。本物を観ろ。

提供:東映

知らないと損!映画料金が500円になる“裏ワザ”の注目特集 注目特集

知らないと損!映画料金が500円になる“裏ワザ”

【仰天】「2000円は高い」という、あなただけに教えます…期間限定の最強キャンペーンに急いで!

提供:KDDI

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声の注目特集 注目特集

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声

【人生最高の映画は?】彼らは即答する、「グラディエーター」だと…最新作に「今年ベスト」究極の絶賛

提供:東和ピクチャーズ

ヴェノム ザ・ラストダンスの注目特集 注目特集

ヴェノム ザ・ラストダンス

【最悪の最後、じゃなかった】最高の最終章だった…エグいくらい泣いた感動体験、必見!

提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

八犬伝の注目特集 注目特集

八犬伝

【90%の観客が「想像超えた面白さ」と回答】「ゴジラ-1.0」監督も心酔した“前代未聞”の渾身作

提供:キノフィルムズ

関連コンテンツをチェック

シネマ映画.comで今すぐ見る

HOW TO HAVE SEX

HOW TO HAVE SEX NEW

ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。

愛のぬくもり

愛のぬくもり NEW

「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。

卍 リバース

卍 リバース NEW

文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。

痴人の愛 リバース

痴人の愛 リバース NEW

奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。

凶悪

凶悪 NEW

死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに、3つの殺人に関与しており、そのすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世に暴くよう依頼。藤井が調査を進めると、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになっていく。ジャーナリストとしての使命感と狂気の間で揺れ動く藤井役を山田孝之、死刑囚・須藤をピエール瀧が演じ、「先生」役でリリー・フランキーが初の悪役に挑む。故・若松孝二監督に師事した白石和彌がメガホンをとった。

セルビアンフィルム 4Kリマスター完全版

セルビアンフィルム 4Kリマスター完全版 NEW

内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。

おすすめ情報

映画.com注目特集 11月8日更新

映画ニュースアクセスランキング

映画ニュースアクセスランキングをもっと見る

シネマ映画.comで今すぐ見る

他配信中作品を見る