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「国立映画アーカイブ」4月誕生 東映・岡田裕介会長、山田洋次監督らがアドバイザーに

2018年2月6日 21:00

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アドバイザーに8人の映画人が就任
アドバイザーに8人の映画人が就任

[映画.com ニュース] 東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターが、4月1日から国内6館目の独立行政法人国立美術館「国立映画アーカイブ」になることが発表された。2月6日に同施設で行われた会見には、独立行政法人国立美術館理事長・柳原正樹氏、東京国立近代美術館長・神代浩氏、東京国立近代美術館フィルムセンター主幹・とちぎあきら氏、ロゴをデザインした鈴木一誌氏、先付け映像を手がけた山村浩二監督が出席した。

東京国立近代美術館フィルムセンターを、他の国立美術館と同格の機関として「国立映画アーカイブ」に4月1日に改組。「映画を残す、映画を活かす。」をミッションとして、「映画による国際交流」「映画の文化・芸術振興」「映画を保存、公開する」という3つの核を持つナショナルセンターの機能を強化していく。「過去、そして現在でも、映画が今ここに“ある”ということは決して当たり前のことではない」と語ったとちぎ氏。「例え映画が残っていたとしても、多くの人々に活用する道がひらけてなければ、“ない”も同然であるということは、映画に関わる人間であれば深く理解しているはず。映画や関連する資料を資源として活用していく方法を、もっと模索する必要があります。収集と保存を一体として、強化、推進していきます」と思いの丈を述べた。

具体的な事業として、日本映画の監督や俳優のプライベート映像と代表作を披露する開館記念の特集上映、黒澤明監督作品のポスター展、日本におけるサイレント映画期の記録映像などを国内外に配信するべく、同館の所蔵フィルムを活用した「日本文化・記録映画クラシックス」(仮称)の構築・運用などを予定。東京国立近代美術館フィルムセンターの大ホールは、小津安二郎監督の名前にちなみ「長瀬記念ホール OZU」に改称される。

また、外部から広く助言を得る体制をとることになり、アドバイザーに8人の映画人が就任する。日本映画製作者連盟会長でもある東映の岡田裕介会長をはじめ、山田洋次監督、河瀬直美監督、俳優の奥田瑛二、女優の松坂慶子、故新藤兼人監督の次男としても知られるプロデューサー・新藤次郎氏、イマジカ・ロボット ホールディングス代表取締役会長の長瀬文男氏、東京藝術大学名誉教授の堀越謙三氏が名を連ねる。

会見ではアドバイザー8人のメッセージが披露され、岡田会長は「収集や保存ばかりだけでなく、積極的な運用方法が見い出せたら、と期待しています」と意気込みを明かした。山田監督は「ぼくたちの国でようやく、日本映画が世界に誇るべき芸術であることが認められたのだと嬉しく思います」と言葉を紡ぎ、河瀬監督は「『映像』という文化遺産を国の保護のもと、国内外問わず活用されていくことはこれからの人類の発展の為にとても有意義なことだと感じています」とコメントしている。

奥田と松坂は「国立映画アーカイブ、誕生おめでとうございます。これができるというので、一にも二にもなく、やった!という気持ちです」「私もアドバイザーの一人として、できうる限りの協力をし、忌憚のない意見を言わせてもらいながら、素晴らしい日本映画の世界を作っていきたいと思います」(奥田)、「国立映画アーカイブが生まれることで、日本のさまざまな映画がこれまで以上にしっかりと保存され、未来に引き継がれ、日本のみならず世界中でますます上映されるようになることを祈っております」と期待を寄せている。

「国立映画アーカイブ」は、4月1日設立。館長は、東京国立近代美術館フィルムセンター特定研究員・岡島尚志氏が着任予定。

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