「シェイプ・オブ・ウォーター」デル・トロ監督、ファンと積極交流&即席サイン会実施!
2018年1月31日 16:00
[映画.com ニュース] 第90回アカデミー賞で最多13ノミネートを記録した「シェイプ・オブ・ウォーター」のメガホンをとったギレルモ・デル・トロ監督と映画評論家の町山智浩氏が1月30日、東京・渋谷のユーロライブで対談した。イベントでは観客とのティーチインも行われたが、デル・トロ監督は、予定時間を過ぎても観客からの質問に答え続け、「(配給の)20世紀フォックスに怒られるだろうけど、来てくれたみんなにサインをするよ!」と即席サイン会を実施。ファンが次々と群がり、会場は熱狂に包まれた。
「パンズ・ラビリンス」のデル・トロ監督が監督・脚本・製作を手がけ、2017年・第74回ベネチア国際映画祭で金獅子賞、第75回ゴールデングローブ賞で2部門に輝いたファンタジックなラブストーリー。清掃員として政府の極秘研究所に勤める女性イライザ(サリー・ホーキンス)と、不思議な生き物の種族を超えた運命的な愛をつづる。
本作では、バスルームが水でいっぱいになるシーンがあるが、デル・トロ監督の経験が生きたという。「撮影では、部屋の壁を切り取って持ち上げられるようにして、水槽の中に入れたよ。ゆっくりゆっくり、泳げるような状態になるまで沈めていったんだ。タオルをドアに詰めて水が漏れるのをふさぐシーンがあるけど、子どものころに実際にやったことなんだ。僕の家には浴槽がなくて、でもお風呂に入りたくてね。それで家に1人ぼっちのとき、ガラス張りのシャワールームの壁の下にタオルを敷き詰めたんだ。でも、内開きで出られなくなって、壊して出たことがある。父には罰されてしまったよ」という監督のほほ笑ましいエピソードに、観客はほおを緩めていた。
「予算を自由に使えるとしたらどんな映画を撮りたい?」というファンからの問いには、「この映画は、7000万ドルくらいかかってると思われるかもしれないが、1930万ドルで作っているんだ。予算があればあるほど、自由がないんだよ。予算が少ない方が、映画そのものとして宣伝してくれる」と答え、客席からは納得の声が漏れた。デル・トロ監督は続けて「5500万ドルで『クリムゾン・ピーク』を作ったとき、宣伝会社は予算を回収するためにホラー映画として売った。ゴシックロマンスなのに! グッチのバッグを買おうと思ったのに、トースターを与えられたら怒るよね。トースターはトースターとして売ってほしいんだ。大きな映画のオファーは来ているんだけど、本当にほれ込んでいる作品でなければやる意味はない。具体的なタイトルについては、ネットニュースに出るだろうから言わないよ!」と続け、観客を爆笑させた。
町山氏とのトーク中には「自分は昔から、少数派の人間だった。変わった子どもで、静かでスポーツもやらないし、本を読み映画を見て絵を描くことが好きだった」と自身のルーツを語り、本作について「女性は声がない。スパイは名前がない。ゲイは隠れている。黒人は無視されている。でも彼らが団結すると、“彼”を救出できる」と、自身と同じく少数派の人々が日の目を見る物語だと語った。
「シェイプ・オブ・ウォーター」は、3月1日から全国公開。
フォトギャラリー
PR
©2025 Disney and its related entities
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド NEW
【この最新作を観るべきか?】独自調査で判明、新「アベンジャーズ」と関係するかもしれない6の事件
提供:ディズニー
セプテンバー5 NEW
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】本当に放送していいのか…!?不適切報道か否か?衝撃実話
提供:東和ピクチャーズ
ザ・ルーム・ネクスト・ドア NEW
【わたしが死ぬとき、隣の部屋にいて】余命わずかの親友から奇妙なお願い――魂に効く珠玉の衝撃作
提供:ワーナー・ブラザース映画
君の忘れ方
【結婚間近の恋人が、事故で死んだ】大切な人を失った悲しみと、どう向き合えばいいのか?
提供:ラビットハウス
海の沈黙
【命を燃やす“狂気めいた演技”に、言葉を失う】鬼気迫る、直視できない壮絶さに、我を忘れる
提供:JCOM株式会社
サンセット・サンライズ
【面白さハンパねえ!】菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎! 抱腹絶倒、空腹爆裂の激推し作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
開始20分で“涙腺決壊”
【激しく、心を揺さぶる超良作だった…!】脳がバグる映像美、極限の臨場感にド肝を抜かれる!
提供:ディズニー