抗NMDA受容体脳炎と闘う女性描く「彼女が目覚めるその日まで」原作者が来日
2017年12月6日 16:00
[映画.com ニュース]「キック・アス」シリーズや「イコライザー」で知られるクロエ・グレース・モレッツが、「抗NMDA受容体脳炎」と闘った女性を演じた「彼女が目覚めるその日まで」の原作者スザンナ・キャハラン氏が来日し、12月5日に都内で行われたトークイベントに参加した。
ジャーナリストのキャハラン氏によるベストセラー回顧録「脳に棲む魔物」を、シャーリーズ・セロン製作で映画化。ニューヨークポスト紙で記者として働いていたスザンナ(モレッツ)は、当時は原因不明の病とされていた「抗NMDA受容体脳炎」に倒れてしまう。原因が判明せず、医者からも見放されるなか、スザンナは家族や恋人と共に病と闘っていく。
本作のプロデューサーも務めたキャハラン氏は、「闘病中はどん底の日々でしたが、今は感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔。「この経験を通して、この病気を周知させるという目的意識をもって生きるという決断が得られました。それが、自分にとって1番大きな変化かもしれません。大切な人たちが、どんな状況になってもそばにいてくれるという確信が得られたことも大きかったです」としみじみと語った。
会場には、キャハラン氏と同じく抗NMDA受容体脳炎を患った女性や、家族が闘病中の人々も見られ、キャハラン氏は参加者の体験談に献身的に耳を傾けた。当初、キャハラン氏は上司の勧めにより自身の体験を記事にし、その後回顧録を執筆。書籍化に至った。「体験記事が出たときに、ものすごく反響があった。これは語らなければならないと強く感じ、熱にうかされるようにして体験談を本にしたんです。私生活をさらけ出すことにもなりますが、そのことはあまり感じませんでしたね」と当時を述懐したキャハラン氏は、「本人や家族だけでなく、グループを作り、体験を共有することが大切だと思います。この原作や映画が、少しでも(抗NMDA受容体脳炎を)わかってもらえるヒントになれば、対話を始めるきっかけになればと思います。1人だけ、家族だけでは闘えない。大きなコミュニティが必要なんです」と訴えた。
イベントには、東京大学医学部附属病院神経内科助教の作石かおり氏も駆けつけ、抗NMDA受容体脳炎について「体の中に外から脅威がやってきたとき、防御するシステムがおかしくなって自分自身を攻撃してしまう疾患です。まずは風邪のような症状が出てきて、精神の病気のような第2ステージがあり、統合失調症に似た症状が次々と出てきます。第3ステージは無反応期になり、呼吸がうまくできなくなり、重篤な状態になってきます」と分かりやすく解説。映画を見た感想を、「スリラー小説のよう。困難な出来事を乗り越えて、このような小説や映画を作られたパワーに圧倒されました。敬服いたします」と語り、キャハラン氏をたたえた。
「彼女が目覚めるその日まで」は、12月16日から全国公開。
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