エドモンド・ヨウ監督が伝えたかった、マレーシアの底辺にいる人々の声
2017年11月12日 05:00

[映画.com ニュース] 台湾留学のための資金を盗まれたフイリンは、稼げる仕事にありつこうとして、流入するロヒンギャ難民を人身売買する闇ビジネスに手を染めてしまう。簡単に海外暮らしを夢見るマレーシアの若者と、命からがら海上を逃げてくる難民たちを合わせ鏡にして、それぞれの行く末を暗示的に描いた作品。エドモンド・ヨウ監督は本作で第30回映画祭最優秀監督賞を受賞したが、これは受賞発表の前夜になされた取材であり、ふたりの顔には好評だった上映の余韻が残っていた。
エドモンド・ヨウ監督(以下、ヨウ監督): 2作品を上映いただいて光栄です。東京国際映画祭には学生時代に短編を2本出品しています。また3年前には「破裂するドリアンの河の記憶」(14)がコンペに選出されました。今回は「アケラット」が同じコンペ部門に選ばれて、この映画祭にひとかたならないご縁を感じています。参加するたびにわが家に帰ってきた気持ちになります。第30回ということでお祝いの気持ちもあり、昔なじみの友人に会ったり、新しい出逢いにも恵まれて、参加できてよかったです。
ヨウ監督:セリフをなるべくそぎ落として、映像だけでわかってもらえるスタイルをいつも考えていますから。
ヨウ監督:P・ラムリーとかラティファ・オマーとか。実際にロケした影絵師の小屋に、あれらの写真が飾ってありました。写真を飾ることで、亡くなったスターの記録を残そうとしていたんですね。それに感動して撮影しましたが、ここでは伝統芸の継承者の不在を暗示しています。終盤に白黒の遺影が並んでいるショットがありますが、こちらは影絵師の方の自宅に飾ってあった祖先の写真を撮らせてもらいました。
ひとりの女の子が「一緒にシンガポールへ行かない?」とウェイを誘いますが、彼は顔に包帯を巻いた神秘的な女性(ダフネ・ローが演じている)に好意を寄せていて、国境の町に留まります。海外で暮らしたいマレーシア人は多いけど、冷静な判断ではなく、ささいなことを理由にしている場合が多い。そのことを指し示そうとしました。
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