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タル・ベーラ監修「鉱 ARAGANE」 炭鉱を映した小田香監督「地下で時間を失う感覚を表現したい」

2017年10月20日 15:00

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小田香監督
小田香監督

[映画.com ニュース]山形国際ドキュメンタリー映画祭2015アジア千波万波部門特別賞受賞作で、ボスニア・ヘルツェゴビナの炭鉱の姿を捉えたドキュメンタリー「鉱 ARAGANE」が10月21日公開する。タル・ベーラ監督が監修し、サラエボの映画学校で学んだ小田香監督が作品を語った。

ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ。その近郊にあるブレザ炭鉱は操業100年の歴史を持ち、地下300メートルの世界では坑夫たちが黙々と作業を進め、杭を掘り進めている。爆音を響かせ続ける掘削重機、男たちが振り上げるツルハシ、鉱山から掘り出される石の小さな断片など、鉱山、そして労働者たちをカメラがひたすら見つめていく。

タル・ベーラが創設したサラエボの映画学校の博士課程に在籍していた小田監督。本作製作のきっかけは、学校の課題からだという。「タル・ベーラ監督から、カフカの短編小説を脚色して映画にしなさいと課題を出されたのです。そのカフカの小説は、石炭に関する物語でした。それで私は炭鉱会社へ映画のリサーチに行きました。リサーチをしながら、炭坑の空間自体が面白いと感じました。それで学校の課題はやめて、『鉱 ARAGANE』の撮影に入ったのです」

2014年10月から2017年3月の期間中、1日につき大体4時間、10回ほど炭坑に入り、自ら撮影した。地上から地下の採掘場に入る道は、300メートル、20分程度かかる長い道のりだったという。

画像2(C)film.factory/FieldRAIN

「炭鉱に入って人間と機械はお互いに無視できない存在だと感じました。炭鉱にある機械が“色っぽい”と思ったんです。油がヌルヌルしたり光ったり(笑)。人の営みや労働を無意識に感じていたと思います。大きな機械が動くのも人間がそこにいるからだと思いました」

「現場でいきなり炭坑夫たちのリアクションを撮っていきました。私がやった唯一のことは、炭坑夫たちと、彼らがつけているヘッドランプの動きに対応することでした。カメラは、ほとんど三脚を据えて撮っています。現場で私は、カメラをどこに置くか、フォーカスをどこに合わせるか、ということぐらいしか考えていませんでした。ただ編集のときにはいろいろ考えました」

炭坑から外に出てきたときの雪の明るさが印象的だ。「地下にいると日光がないし、ずっと騒音の中にさらされているので、時間の感覚を失うのです。何時間穴の中にいるのか、よくわからなくなってくる。その地下で時間を失う感覚を表現したかったのです。どうすればそうできるかを考えていました」

今作「鉱 ARAGANE」には映画学校での学びが影響していると実感しているそう。「タル・ベーラ監督は、『きちんと人間と向き合って撮りなさい』とよく言っていますね。あと“正直であれ”ということです。今作を見て一言、『誇りに思うよ』と言ってくださり、すごく嬉しかったです。そして、『行動して作った、撮った、結果だ』と話してくれました」そして、長編デビュー作が劇場公開を迎えるにあたり、「『鉱 ARAGANE』を見てもらうことで、『彼ら』が『ここ』にいることを知ってもらいたいです」と結んだ。

鉱 ARAGANE」は、10月21日から新宿K’s cinemaで公開。

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