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出会いから56年 山崎努&樹木希林「モリのいる場所」で“奇跡”の初共演!

2017年10月10日 16:45

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山崎と樹木の出会いは1961年のこと
山崎と樹木の出会いは1961年のこと
(C)2017「モリのいる場所」製作委員会

[映画.com ニュース] 日本を代表する俳優の山崎努が「死に花」以来13年ぶりに映画主演を務める「モリのいる場所」(沖田修一監督)に、樹木希林が出演していることがわかった。山崎と樹木の出会いは、1961年、ともに所属していた「文学座」でのこと。唯一無二のキャリアを築き、日本映画界を盛り上げてきた名優2人が、56年の時を経て、初共演を果たすことになった。

本作は、昭和49年、自宅の庭でひたすら虫、鳥、草花を見つめ“仙人”と呼ばれた97歳の画家・熊谷守一が過ごす、ある夏の1日をフィクションとして描くもの。30年間ほとんど外へ出ることなく、庭の生命を見つめ描き続けた伝説の画家・熊谷守一ことモリ(山崎)と、彼を愛する人々の、可笑しくも温かな1日の光景をとらえている。樹木は、モリを陰日向になって支える妻・秀子に扮する。

山崎は「特別優れた才能は知っていたが、予想以上、はるかにすばらしい女性俳優だった」「さり気なく庭の小さな野花を摘み、全身を弾ませて祝福するようにモリカズに投げる演技は圧巻で、見ていて胸が熱くなった。76歳の老妻が少女になっていた」と樹木との撮影の日々を振り返る。そして「アシスタントもマネージャーもいない。何もかも一人でやる。女優業はもちろん家事も好きらしい。人にやさしくて、ちょっと意地悪で、好奇心旺盛。なんと日本全国の土地の値段にまで関心を持つ。僕はこれまでの人生でこんな個性に出会ったことがない」と胸中を吐露している。

樹木の脳裏に焼きついていたのは、黒澤明監督作「天国と地獄」で誘拐犯・竹内銀次郎役を演じ、元宝塚歌劇団の黛ひかると結婚した頃の山崎の姿だ。「光の中でオーラが歩いているようで、まともに顔など見られませんでした。あれから半世紀以上、まさか山崎さんと仕事出来るなんて思いもしませんでした」と念願の初共演に喜びを隠せない。「役者として山崎さんは、常につつましく謙虚で何より心が柔らかいんです。モリカズさんを嬉しそうに受け入れてて――。私は普通の妻のように生活できました」と充実した日々だったことを明かしている。

沖田監督は山崎と樹木の共演を“奇跡”と表現
沖田監督は山崎と樹木の共演を“奇跡”と表現

山崎と樹木は、クランクイン前から、演技のみならず、衣装やメイク、小道具といった細部にいたるまで、知識、経験、アイデアを惜しみなく注いだ。「私は監督の顔を見ている。その顔を集めてつなげたら、映画の内容が解るほどだ」と作品の舵を握る沖田監督の印象を語る樹木は「うれしそうな、実に楽しそうな、そして芝居をよく見てて、まことに的を射たダメ出しをする」と称賛する。「だから私は丸投げだ。出来が悪けりゃ監督のせいだ」と樹木節をさく裂させながらも「この人は今後も成長しつづけて、日本を代表する監督になる筈だ」と断言している。

沖田監督は、山崎と樹木の出演を“奇跡”と表現し「僕は、この台本を撮りたいと言って見せ、あとは何もする事なんてなかったのかもしれません」と告白。撮影現場の家の縁側にいつも座っていたという樹木の姿を思い返すと「いざ撮影が始まると、面白さに貪欲で、また厳しく、たくさんのアイデアを持ち、持道具を考え、あとは、縁側にいた時と同じ、まるで住人のように、スッとカメラの前に入ってこられるので、監督としてはどうかと思いますが、もう何も言う事なんてなくて、ただただ、樹木希林さんとのお仕事が楽しかったのです。魔法使いのようでした。たくさん笑いました」とコメントを寄せている。

モリのいる場所」は、18年に東京・シネスイッチ銀座ほか全国公開。

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