ディーン・フジオカ&深田晃司監督がタッグ!「海を駆ける」18年5月公開
2017年8月24日 06:00
[映画.com ニュース] 第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞した「淵に立つ」の深田晃司監督と、ディーン・フジオカが初タッグを組む映画「海を駆ける」が、2018年5月に公開されることが決定。日本、フランス、インドネシアが共同で製作する本作は、深田監督による完全オリジナル脚本のファンタジー作品だ。
8月5日にクランクインした本作は、インドネシア・スマトラ島のバンダ・アチェでオールロケーション撮影を敢行中。広く澄み渡る海と、戦争と津波の残る町を背景にした物語が展開する。バンダ・アチェの海岸、片言の日本語やインドネシア語を話す謎の男が発見される。災害復興の仕事をしていた貴子と息子・タカシは、行き倒れていたその男にラウ(=インドネシア語で「海」)と名づけ、保護することに。やがて、ラウは数々の不思議な奇跡と事件を巻き起こしていく。フジオカが謎の男・ラウを演じるほか、貴子役を鶴田真由、タカシ役を太賀、タカシの従妹・サチコ役を阿部純子が演じている。
「個人的にインドネシアという国は、家族が住んでいたり自分の過去に縁のある国のひとつです」とインドネシアが“第二の故郷”であることを明かしたフジオカは、深田監督の演出について「とても丁寧だなと思いました」と告白。「リハーサルを何度も重ね、現場に入ってからも、タイミングやディテールに真摯に向き合っている姿を見て、本当に映画が好きな人なんだなぁっていうのが伝わってきます。一緒に現場に入らせていただいてすごく勉強になりますし、楽しい時間を送っております」と厚い信頼を寄せている。
また、自身が演じるラウという人物は「海から来た男ということで、すごく不思議な存在ですね。人間のようでいて、でも人間ではないというか。様々な奇跡的な現象を起こしていく、とにかく謎に包まれたキャラクター」と説明。そして「ストーリー的にもチャレンジングでおもしろいものだと思うんですけど、作品の存在自体が2つの国だったりカルチャーというものをさらに近づけていったり、新しい科学反応を起こしたりするようなきっかけになる可能性を持った、ひとつのプロジェクトなんじゃないかなぁと思っているので、ひとりでも多くの人に、国籍や喋る言語を問わず、年代を問わず、見てもらえたら嬉しいですね」と語っている。
一方、深田監督は「多国籍で無国籍な生き方にまず惹かれ、お顔を拝見し打ち抜かれました。一目ぼれです」とフジオカとのタッグに喜びを隠しきれず「ラウがいた、と確信しました。ラウ=ディーンさんの発見によって、この映画は動き始めたのだと思います」と話している。さらに、11年、津波に関するシンポジウムの記録撮影のためにバンダ・アチェを始めて訪れた過去を振り返り「アチェは2004年にスマトラ沖地震による大津波で被害を受けた地です。東北の津波の記憶の生々しかった時期だけに、そこで見聞きするすべてに刺激を受け、アチェを舞台にした映画と作りたいと願うようになりました」とコメントを寄せている。
「海を駆ける」には、アディパティ・ドルケン、セカール・サリも出演。18年5月に全国で公開し、その後インドネシアでも上映される。