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サティのバレエ楽曲が短編アニメーションに 「頭山」山村浩二監督の新作9本が公開

2017年8月4日 14:00

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山村浩二監督
山村浩二監督

[映画.com ニュース]落語を題材にした「頭山」(2002)で日本人で初めてアカデミー短編アニメーション賞にノミネートされた山村浩二監督の最新短編9作品を集めた「山村浩二 右目と左目でみる夢」が8月5日公開する。今作の配給も手掛けた山村監督のスタジオAu Praxinoscopeで、新作「サティの『パラード』」について話を聞いた。

世界各地の13の国際映画祭で受賞、83の映画祭で公式上映された「サティの『パラード』」は、ジャン・コクトーパブロ・ピカソエリック・サティがバレエ・リュスのために創作した「パラード」をモチーフに描いた。アニメーションの中に、サティの軽妙なユーモアのある文章をちりばめ、オランダのサックス奏者ウィレム・ブロイカーの演奏とともに、シュルレアリスム的なバレエの世界が繰り広げられる。

画像2(C)Yamamura Animation

サティの音楽は、ピアノ楽曲が広く知られているが、山村監督はジャズミュージシャンのブロイカーが演奏する「パラード」を気に入り、今作の題材にした。「シニカルな部分があるけれど、純粋で美しいのがサティの音楽。嫌な狙いや装飾が無いところに惹かれます」とその魅力を語る。

上演当時はバレエの舞台に手品やアクロバットという世俗的な演芸を盛り込んだことで話題を集めた。「このバレエ音楽の紹介文で、詩人のギヨーム・アポリネールが現実を超えるという意味合いで『シュルレアリスム』という言葉を使ったんです。アンドレ・ブルトンがシュルレアリスム宣言をする以前の話で、その萌芽がサティの作品の中にあり、ダダ、シュルレアリスム、現代美術の出発点になるようなものがこの『パラード』の中に結集しているのが面白いと思う」

はっとするような鮮やかな赤いカーテンが開いて物語が始まる。「悩みながら色を決めていきました。サティの『赤い幕の前奏曲』という曲があるので、赤色は最初に決め、水色、黄色、そして紺色という順に決まっていきました。自分の作品のなかでも、これだけ明るい赤を使ったのは初めてで、それはサティの作品から自然とインスピレーションが出てきたと思う」「アニメーションでバレエを踊り直す感じで、意識的にバレエの動きを取り入れたシーンもあります」と製作の過程を解説する。

画像3(C)Yamamura Animation

セーラー服姿の少女、中国人の奇術師といった魅力的なキャラクターのほか、サティと交流のあったアーティストたちも登場する。「サティは画家と相性がよい作曲家。マン・レイととても仲が良く、ピカソやジョルジュ・ブラックらキュビズムの画家とも交流があったので、とてもビジュアル的な人だったと思う。ですから、彼と交流があった画家たちの作品のイメージも映画の中に引用しました」

「常々アニメーションは夢に近いものだと思っていて、内的ビジョンを視覚化できる手法だと思っている」と話す山村監督。「目を閉じて見るのではなく、両目を開いて右脳と左脳を働かせて見るのがアニメーション」という考えから、「右と左で見えるもの 眼鏡なしで」というサティの楽曲から今回の特集タイトルを考案した。

「20代の頃に見て衝撃を受けた映画が血や肉になっています」と、これまでの作品制作には実写映画からも影響を受けているそうで、ジャック・タチルイス・ブニュエル小津安二郎鈴木清順らの名を挙げる。「タチの『プレイタイム』には大きな影響を受けています。いろいろな要素が絡み合い、クローズアップが無く、見る側が主体的にかかわって物語を見つけていくというアプローチは究極のアニメーションのよう。観客に想像の余白を与えつつ、でも、最後の動きまでコントロールしようとするタチのこだわり。それがアニメーションの精神だと思う。作るときは徹底的に、画面の隅々まで監督の手が入っているけれど、決して押し付けてこない慎ましさがすごく好き。ブニュエルのシュルレアリスム的な発想の仕方、無意識にどうやって接続していくかというやり方は、普通の頭で考えられることを超越していて圧倒されました」

画像4

山村監督が運営しているギャラリーAu Praxinoscopeは、東京・自由が丘駅に程近い、世田谷区の閑静な住宅街に位置し、地下には一般客が訪問できる画廊と関連商品を扱うストアを併設している。世界で活躍するアニメーション作家の作品や山村監督が収集したアンティークのプラクシノスコープやゾートロープ(映画の原点になった絵が動くおもちゃ)の展示、山村作品のほか、ユーリー・ノルシュテイン作品などアートアニメーションのDVDや書籍、美術作品を販売する。「短編アニメーションは、マイナーな世界。広く知ってもらえる機会が無いので、現実の場として作りました」と、短編アニメーションの魅力を広めたいという山村監督の思いから2013年にオープン。好奇心や童心を掻き立てるさまざまなグッズが所狭しと並べられ、秘密基地に紛れ込むような楽しさがある。

8月5日からユーロスペースで公開の「山村浩二 右目と左目でみる夢」では、「サティの『パラード』」のほか、絵本としても出版された「怪物学抄」、「Fig(無花果)」「鶴下絵和歌巻」「古事記 日向篇」「干支1/3」「five fire fish」「鐘声色彩幻想」「水の夢」の9本が上映される。ギャラリーAu Praxinoscopeは金、土のみ開館。詳細はHPで告知している(http://www.praxinoscope.jp/)。

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