藤竜也&神野三鈴、河瀬直美流“濡れ場”は「どこまでやるのか悩んだ」
2017年6月30日 23:30

[映画.com ニュース] 河瀬直美監督作「光」の劇中映画として製作された短編作品「その砂の行方」の公開記念トークイベントが6月30日、東京のシアター・イメージフォーラムで行われ、出演者の藤竜也と神野三鈴が登壇した。
「その砂の行方」は、「光」に登場する北林(藤)が監督し、吉原重三役で出演しているという設定。「光」の劇中で使用された部分だけでなく、16分間のオリジナル短編映画として製作された。かつてサンドアートで名を馳せた重三は、認知症を患う妻・時江(神野三鈴)と人里離れた場所に暮している。家に留まることに固執する重三は、度々家を抜け出し、徘徊する時江を強引に連れ戻していた。そんなある朝、時江が姿を消したことで、重三は20年ぶりに駅へと向かい、たどり着いた海辺の町でひたすら時江を探し続ける。
「撮入前、本作の壮大なシノプシスをいただいたんです。この男女の若い時から現在に至るまでのヒストリーが記されてあった」という藤は、「本当は長編で撮っていただきたいくらい」と胸中を吐露。すると、神野は「シノプシスをよりどころにして、アドリブで芝居を進めていったんです」と2日間の撮影を述懐し「使われていないシーンがたくさんあります。タンゴを踊るように、藤さんのリードに任せていました。私が何をしても藤さんが応えてくださる。その空間の中、2人で生きていて、すごくすごく幸せでしたね」と充実の日々を振り返った。
本作で最も印象深いシーンは、藤と神野が砂の上で“愛を求めあう”シーン。浜松・中田島砂丘で撮影は行われたようで「丘の上に座らせられまして。河瀬監督から『じゃあどうぞ』と一言。あとは何も言わないんです」と藤は当時の状況を説明した。そして「河瀬監督は基本的にカットをかけない方。僕が悩んだのは“どこまでやるのか”ということです。僕は『愛のコリーダ』の経験がありますので、黙っていればどこまでもいっちゃう(笑)」と語ると、場内は爆笑。その後、河瀬監督に同シーンに関してたずねると「砂をパラパラと落としながら『まあ、砂がありますから…』と。そう言われて、あんまり深入りはしちゃいけないんだな」と理解したようだ。
神野にとっても河瀬監督流の“濡れ場”は思い出深かったようで「藤さんの方から動いてもらって、私も『愛のコリーダ』見ていますから『くるか』と(笑)」と嬉々として語った。そして「キスと同時にあることが起こったんです。それまではお芝居のセオリーで、役者の客観的な意識が残っていたんですが、その藤さんの動きで頭の中がグワングワンしちゃって。まさにアウト・オブ・コントロール。これはお任せしていくしかないなと思いました」と惜しくもカットとなった秘密の展開を告白。「そのことを永瀬さんに話したら『俺はまだまだだな』と仰っていました。藤さんならでの、すごく素敵なことでした」と話していた。
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