園子温ドラマ出演の夏帆、冨手麻妙、満島真之介が見どころ解説の座談会番組収録に潜入!
2017年6月15日 04:00
[映画.com ニュース] Amazonプライム・ビデオで6月16日から独占配信される、園子温監督オリジナル脚本、夏帆主演のドラマシリーズ「東京ヴァンパイアホテル」。園監督と主演の夏帆、共演の冨手麻妙と満島真之介が見どころを語る座談会番組の収録が、都内の園監督のアトリエで行われた。
ドラマは、バンパイア同士の抗争と滅亡の危機にひんした人類の戦いを描いており、由緒正しいバンパイアであるドラキュラ族の一員であるK(夏帆)が、「ホテル・レクイエム」に住み、人類を窮地に立たせている“ネオ・バンパイア”のコルビン族である山田(満島)と奇怪な女帝姉妹(安達祐実)、エリザベート・バートリ(神楽坂恵)らから、謎のキーパーソン、マナミ(冨手)を守るべく戦いを挑む。キャスト勢が衝撃のバンパイア姿で熱演する。
園監督による絵画や詩が白壁を彩る、アーティスティックなアトリエにまず登場したのは、夏帆と冨手の女子コンビ。ドラキュラ族の一員で、由緒正しいバンパイアのKを演じる夏帆は「とにかく強い女性」と役柄を説明。激しいアクションに挑戦したり、血まみれになったりとこれまでにない経験をした。着弾シーンでは「何発もうけて、すっごく痛かった」とこぼし、ルーマニア語のセリフも覚える必要があった。「今まで聞いたことのない言語だったから大変だった」と振り返ったが、園監督は「すぐに上達してたから、すごくよかった」と褒め称える。
生まれながらにして貴重な血を与えられ、22歳の誕生日を迎えたときに覚醒するマナミを演じる冨手は、「最終的には獣になる設定。ワイヤーも初めてでハードだった」と、人間ではない難役に挑んだ。丸刈りになるシーンもあり「かつらが外れるシーンは、やっぱり見て面白かった。園さんも一緒に坊主になってくれたんです。人生初めてのバリカンでした」と女優としての充実感をにじませる一方で、「私たちこのままどうなっちゃうんだろうって語り合いました」と女子の本音を吐露する場面も見られた。ふたりは最後に、「今まで経験したことないすさまじい作品。日本にはないドラマに仕上がっている」(夏帆)、「激しいアクションだったり、戦いだったり見どころはたくさん。今回の役は今まで私が園さんの作品でやったのとはと正反対の役。そういうところも注目してもらえれば」(冨手)とアピールした。
ルーマニア、豊橋、都内など様々な場所で過酷なロケが行われたが、ホテル・レクイエムの場面は、それぞれの部屋が極彩色に彩られた、絢爛豪華なセットで撮影された。地下にある核シェルターも兼ねているという設定のため「リアリティがなくなるから、ホテルの外に日本の風景を出さなかった」というこだわりを明かし、「ハリウッドの美術ディレクターの想像を絶するような色彩感覚を考えた」と美術面にも並々ならぬ力を注いだ。
夏帆、冨手の退出後に現れたのは、“ネオ・バンパイア”のコルビン族である山田を演じた満島。チャラ男でドレッドヘアで目から血を流したりと、名前からしてどこにもいそうのない吸血鬼に扮し「ありきたりなものばっかりやってもしょうがないし、刺激というか、生きてて良かったという瞬間がある。悪役だけど、バックボーンが見える設定に面白みを感じた」と感想を述べる。今シリーズの物語や山田の奇妙ないでたちに言及した園監督は「世界中でバンパイアが作られてるから差別化できると思う」と自信を見せる。
満島は俳優デビュー前に、園監督の現場を手伝った経験があるそうで「18,9歳の頃、助監督としてお手伝いさせてもらったこともあるし、ふたりでパンクをひとつのヘッドフォンで聞いたり……」と当時のエピソードを披露。そして「役者になってから、いつか園さんと一緒にやりたいなと思ってた。僕は園さんの言葉がすごく好き。たくさん女優さんを輩出されているけど、男と男で対峙したかった。今までに日本人が作ったことのない世界観を園さんとこのタイミングで作れるのがうれしい」「日本と海外の関係性も考えさせられる作品。『どうしていくんだ、この島国は』というメッセージも感じられた。そういう気持ちを根底に持って演じました」と熱をこめて語った。
ある日、ホテル・レクイエムで開催された「全国合コン大会」に招待された若い男女たちは、核爆発で世界が滅びる様子を目撃する。山田は、完璧な核シェルターであるホテルにいる若者たちに、今後は地下で子孫を繁栄させ、永遠にコルビン族のエサとなり続けるしかないと告げて絶望の底へと突き落とす。
Amazonオリジナル「東京ヴァンパイアホテル」(全9話)は、6月16日からAmazonプライム・ビデオで独占配信。