カメラの鼻先60cmで実際に爆破!「ハクソー・リッジ」“本物”を追求したメイキング映像公開
2017年6月12日 13:00
[映画.com ニュース] メル・ギブソンが監督を務め、第89回アカデミー賞で編集賞と録音賞に輝いた「ハクソー・リッジ」の特別映像が、公開された。ギブソン監督や主演俳優アンドリュー・ガーフィールドが登場し、作品の舞台裏を明かしている。
第2次世界大戦下の激戦地、沖縄・前田高地(米国での総称ハクソー・リッジ)で、武器を持たずに敵味方関係なく75人の命を救った実在の米軍衛生兵デズモンド・ドスの半生を描く。「アメイジング・スパイダーマン」シリーズや「沈黙 サイレンス」のガーフィールドがドス役を務め、第89回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされた。
本作では、リアリティを徹底して追求し、CGを極力使わない製作方法がとられた。そこで活躍したのが、特殊効果だ。映像では、実際に演者が爆発に巻き込まれて吹き飛び、カメラがその間を縫って録画していくという驚きの撮影方法や、実際にスタントマンが火だるまになった状態で横っ飛びするシーンの舞台裏が明かされている。撮影班によるとカメラから爆発位置まではわずか60センチほどしかなく、臨場感を生み出すために果敢に挑戦したことが伝わってくる。
ギブソン監督は「特殊効果は本当にすごかった。すぐ目の前で爆発を起こせるんだ。真上に立つこともできる。多少は熱いが、スタントマンは撮影を楽しんでいたよ」と振り返り、「ほとんどがCGなしの、実際に行われたことなんだ。『すごいCGだね』という人に実写だと告げると、『どうやって撮影したの?』と驚いていたよ。特殊効果チームが優秀なのさ」とスタッフをねぎらう。ガーフィールドも「CGでは絶対に真似できない臨場感だ。人が燃えたり吹き飛ばされたりする」と圧倒されたと語る。
特殊効果監修助手を務めたロイド・フィネモアは、特殊効果について詳しく解説しており「紙容器に入った爆発物を埋めずに地上に置く。中に入っているふわふわの破片が、閃光のように高速で飛び散る。だから激しい爆発に見えるんだ。箱爆弾はきわめて安全に効果を生み出せる。普通はCGを使うシーンも、接近できるから直に撮影できるんだ」と明かしている。
「ハクソー・リッジ」は、6月24日から全国公開。