ディカプリオも批判 トランプ大統領のパリ協定離脱表明にハリウッドが猛反発
2017年6月5日 12:00
[映画.com ニュース] ドナルド・トランプ米大統領が6月1日(現地時間)、地球温暖化対策の国際ルールを定めたパリ協定離脱を表明したことを受け、各国政府だけなくハリウッドからも批判が噴出している。
気候変動問題をはじめ環境保護に強い関心を寄せていることで有名なレオナルド・ディカプリオは、「きょう、私たちの星の将来がトランプ大統領の無配慮な決断により脅かされた。この星における私たちの未来は、いまだかつてないリスクにされされている」とInstagramに投稿。「いまこそ、これまで以上に、私たちは気候変動問題を解決する意志を固め、科学的根拠や経験から導かれる真実を信じない指導者たちに挑まなければならない」とアメリカ国民に呼びかけた。
元カリフォルニア州知事で俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーは、「ミスター・プレジデント、あなたにとって最も重要な責務は、人々を守ることだ」と、米attn:にビデオメッセージを寄せ、モノマネでトランプ大統領を風刺してきたアレック・ボールドウィンは、「トランプは、世界はもう我々を笑わなくなると言った。そんなんじゃすまない。世界は我々を遠ざけ、避け、敬遠しようとするだろう」とTwitterで警鐘を鳴らした。
大統領選前から反トランプ運動を繰り広げてきたマイケル・ムーア監督は、パリ協定離脱を「人類に対する犯罪」と切り捨て、新作ドキュメンタリー映画「不都合な真実2 放置された地球」で地球環境問題の重要性を改めて訴えた、ノーベル平和賞受賞者のアル・ゴア元副大統領も「擁護できない暴挙」と非難。ゴア氏は、「世界におけるアメリカの地位をおとしめ、人類が気候変動の危機を解決する力を損なうをがある。間違いを犯してはならない。トランプ大統領が先導しないのであれば、アメリカの国民が率いるのです」と声明を発表した。
その他にも、映画監督のエバ・デュバーネイが「恥ずべき決断」、ミュージシャンのジョン・レジェンドが「トランプは我が国の恥だ」とTwitter上で糾弾。大女優ベット・ミドラーは「アメリカの歴史の中で、こんな破壊的で権力欲にまみれた人間がホワイトハウスにいたことはない」をツイートし、俳優のジョシュ・ギャッド(「美女と野獣」)は「ネロはローマが燃えゆく中バイオリンを弾いていた」と、トランプ大統領をローマ帝国の暴君ネロにたとえた。
映画関係者のみならず、米経済界からも抗議の声が上がっており、米ウォルト・ディズニー社の代表兼CEOのロバート・アイガー氏や、電気自動車企業テスラCEOのイーロン・マスク氏は、大統領の諮問委員会の辞任を表明している。