“世界一有名なパリのキス写真”は演出だった! 裁判沙汰に発展したてん末は?
2017年4月21日 15:00

[映画.com ニュース]1950年に米雑誌「LIFE」の依頼を受け、フランスの写真家ロベール・ドアノーによって撮影された「パリ市庁舎前のキス」。ドキュメンタリー映画「パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー 永遠の3秒」では、その撮影秘話が語られている。あまりに“知られすぎた”同写真によって、ドアノーは数奇な運命をたどることになる。
通行人がめまぐるしく行きかう雑踏で、1組の男女が唇を重ね合わせる……。後にドアノーの代表作となる同写真だが、掲載当初はさして注目を集めず、長らくフィルム保管庫に眠ったままになっていた。ところが80年代にポスターとして発売されるや世界中に広まり、カップルの美しいキスが「愛の国フランス」を象徴する歴史的な1枚と高く評価された。
しかし「パリ市庁舎前のキス」は、フランスを代表する写真家として活躍したドアノーの晩年に影を落とす。パリに住むある夫婦が、「写真のモデルは自分たち。無許可の撮影である」として告訴。ドアノーは裁判所に要求され、同写真の真実を明らかにした。
花の都パリといえども、1950年代はカップルが公衆の面前でキスすることは珍しい時代だった。LIFE誌の依頼を受けた当時のドアノーは、「パリの恋人たち」というテーマを実現させるべく、モデルを雇いロケを敢行。演劇学校の学生であり、実際に恋人同士だった2人にキスを交わすよう頼み、“奇跡の瞬間”を演出したのだった。
これにより、無関係の夫婦は裁判に敗訴。その後、実際のモデルだった女性フランソワーズも「肖像権料」をめぐって裁判を起こしたが、撮影の数日後にドアノーが写真にサインを入れ、謝礼として贈っていたことが判明したため、こちらもドアノーの勝利で終わっている。
「生涯で成功した写真はせいぜい300枚。1枚が1/100秒だとすると、50年でたったの3秒だなんて、すごいだろ」。そんな言葉を残したドアノーは、歴史的な1/100秒をとらえたことで人生の光と影を味わった。そして2005年、フランソワーズはこの写真をオークションに出品し、予想を遥かに上回る約2000万円を手にした。
ドアノーの孫娘であるクレモンティーヌ・ドルディルが監督を務めた映画「パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー 永遠の3秒」は、当時の資料映像、親交のあった著名人の証言などを交え、20世紀を代表する写真家の素顔に迫る。4月22日から東京都写真美術館ホール、ユーロスペースほか全国で公開。
(C)2016/Day For Productions/ARTE France/INA (C)Atelier Robert Doisneau
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

“最高&最幸”の一作!
【過去最高の評価!最も泣いた!】ありがとう、そして…さようなら!? 結末は絶対に観て…!
提供:キノフィルムズ

“ハリポタファン”に熱烈に推したい
【夢のような空間がここにある】GWにぜひ堪能してほしい特別な体験【忖度なし正直レビュー】
提供:ワーナー ブラザース スタジオ ジャパン

たべっ子どうぶつ THE MOVIE
【裏切りすんごい】キッズ向けとナメてたら…全然“甘くなかった”!!嘘やろ、こんな…ええんか…?
提供:クロックワークス、TBSテレビ

地上波では絶対ムリな超過激作
【超暴力的・コンプラガン無視!】狂キャラが常軌を逸した大暴れ!!【敵の事務所にロケットランチャー】
提供:DMM TV

マインクラフト ザ・ムービー
【予想の5倍面白かった】そして、この映画で人生がレベルアップする【息つく間もない“楽しさ”連続】
提供:ワーナー・ブラザース映画

サメ!ゾンビ!ガメラ!
【狂った名作・怪作が無料大量放送】人類終了のお知らせ! ありがとう“GWの夜”が決まった
提供:BS12

なんだこの強烈に面白そうな映画は!?!?
【尋常じゃなく面白そうな6つの魅力】予告だけで「めちゃくちゃ良さそう」が湧き上がる…観なければ!
提供:ディズニー