マッチョガイのセクシーダンスに歓喜!ラスベガスの「MAGIC MIKE LIVE」潜入レポート
2017年4月15日 23:00
[映画.com ニュース]猥雑でクレイジーな男性ストリッパーの世界を描いた大ヒット作「マジック・マイク」と続編「マジック・マイクXXL」。両作で主演とプロデュースを務めたチャニング・テイタムがラスベガスで「MAGIC MIKE LIVE」なるショーをオープンさせた。同シリーズを愛する者としては居ても立ってもいられず発売日にチケットを奪取。公演初日に観に行って来たのでレポートします!

そもそもの始まりは、昨年5月にテイタムがネット上にアップした動画だった。イケメン集団のシェアハウスに暮らすテイタムが「『マジック・マイク』の次の展開を思いついたよ!」と発表する、という体のバカ映像で「2017年3月にラスベガスで『MAGIC MIKE LIVE』をオープンするぞ!」と宣言したのだ。
同時に公式サイトも立ち上がったが、情報が少なくてどんなショーになるのか皆目わからない。事前に判明したのは、テイタムは出演せず、映画版で振り付けを担当したアリソン・フォークと共同ディレクターを務めること。そして「世の女性たちのために“世界初のジェントルレディーズクラブ”を創造する」というコンセプトだけ。
「女性のため」は男性ストリップなのだから当然と思うかも知れないが、実は「マジック・マイク」から「マジック・マイクXXL」で生じた大きな変化を反映している。一作目では主人公のマイクら男性ストリッパーたちは皆、マッチョを売りにするスケコマシだった。ところが2年後を描いた「XXL」では、自分たちの使命は女性をモノにするのではなく、幸せな時間を提供することなのではないか、と学んでいくのである。
そんな「XXL」のスピリットを受け継ぐ「MAGIC MIKE LIVE」が開幕したのは3月30日。会場は映画「コン・エアー」にも登場したハードロックホテル&カジノ。一階がカジノになっており、その地下に「XXL」に登場した女性専用クラブ「ドミナ」を再現するという趣向だ。
テンション高めの女性客ばかりで少々ビビっている筆者。意を決して潜入!筆者が観たのは19時半と22時と2回ある公演の22時の回。ちょうど前のショーが終わり、上気した客たちが会場からカジノに吐き出されてきた。口々に「ファビュラス!」などと興奮を伝えあっている。
異世界へと誘うミステリアスな階段を降りると、四角いステージを二層の客席が囲むオシャレ空間。客席もカフェが開業できそうなテーブルチェアーやソファーだ。各席には「You’re Welcome!」と書かれたピンクの紙束が置かれている。ストリップショーでは一ドル札をバラ撒いたりパンツに挟んだりするのがお決まりだが、ここではこの紙束がチップ代わりらしい。
各座席にセットされていたチップ用のピンクの紙束。「You’re Welcome!」と書いてあるのは、パフォーマンス自体が女性たちへの「ありがとう」という意味だからか。束を両手で挟み忍者の手裏剣のように連射するのが正しい使い方らしい。ドル札に関しては一昨年12月に塚口サンサン劇場で開催された「マジック・マイクXXL One Dollar Bills上映」で配られたお手製チャニング札の方がクオリティが高い。あのイベントで歓声を上げてお札をバラまいた観客のみなさんには、ぜひあの時のチャニング札を持ってベガスに参戦して欲しい。入国審査で捕まっても責任は取れませんが。
定刻を15分ほど過ぎて、ステージに野球帽のあんちゃんが現れた。チャニング・テイタムだ! 初日だから挨拶に来るだろうとは思っていたが、仕掛け人であるスターの登場に会場は大盛り上がり。「今日のために2年半準備してきた! 写真は撮っても構わないが、スマホを構えてたらイケメンたちが近づいて来てくれないぞ、今日は楽しんでくれ!」
初日だけにショーのプロデューサーで共同ディレクターのチャニング・テイタムが降臨。ショーが始まると男性MCが「ビーストバフェ(野獣の食べ放題)にようこそ!」と煽る。ステージではカウボーイ、袖なし蝶ネクタイや警官、消防士などコスプレしたダンサーが踊り出す。完全に男性ストリップの定番だ。ダンサーたちは客席にも乱入し、やがてひとりの女性がステージに上げられる……。
「マジック・マイクXXL」のクライマックスダンス「Mirrored」をステージで再現。と、今回書けるのはここまで。これから観る方々のお楽しみを奪うネタバレは避けたい。ただ、男性MCは早々に退場し、男性ストリップのルーチンも早々と放棄されることを明かしておく。「MAGIC MIKE LIVE」はマッチョを誇示する従来の男性ストリップではない。女性を崇め悦ばせるために生み出された、ステージと客席が混然一体となるゴージャスなエンタメなのだ。
客席にもダンサーが降りてきます。女性の口に入れているのはオリーブの串。演目はキレキレのダンス、甘い歌声、アクロバット、寸劇、格闘アクションなどなど普通のレビューショーとさほど変わらない。が、隙を見つけてはエロをブッ込んでくるので油断も隙もない。ある場面では半裸のセクシーガイが膝の上に女性客を乗せながらドラムを叩く。コレがまたエロいのだ! 気がつけば客席のあちこちで女性たちがイケメンマッチョに奉仕されているカオスには、映画「パフューム ある人殺しの物語」の酒池肉林のクライマックスすら思い出した。とはいえすべてが洗練されているのでいかがわしい空気はゼロだ。
ゴージャスで半裸なダンサーの群舞。会場全体がショーアップされた“セクシー”を存分に楽しみ、女性客は90分間嬌声を上げっぱなし。筆者が覚えているのは、愉快で笑い過ぎて涙が出たこと。そして2日後のショーを観た友人の日本人女性2人が、言語不明瞭なほどに興奮していたこと。ラスベガスではシルク・ド・ソレイユの壮麗なショーが人気だが、新規参入した「MAGIC MIKE LIVE」の刺激も相当なものである。
9割以上が女性客なので男性には少々勇気がいるが、絶対におススメできる内容であり、楽しむ気持ちがあればレディースたちも歓迎してくれるはず。そして女性陣はゴージャスな雰囲気を堪能するべく、できればパーティ仕様に着飾って出かけていただきたい。友人の女性たちはベガスで服を新調してショーに臨み、「もしパーカーなんか着てたら自分が許せなくて死んでた」と述懐していたことをお知らせしておきます。(取材・村山章)
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