中野量太監督、親族に見守られながら映画を撮ることの“責任”を熱弁
2017年2月11日 21:26
[映画.com ニュース]中野量太監督の商業映画デビュー作「湯を沸かすほどの熱い愛」が2月11日、香川県で開催中の「さぬき映画祭2017」で上映された。母が同県丸亀市出身だという中野監督は、伯父・伯母が見守るなか綾歌郡・イオンシネマ宇多津での舞台挨拶に臨んだ。
満員の場内を見渡し、「嬉しいですね」と目を細めた中野監督。同映画祭は3度目の参加になるが、「今回はホテルがランクアップしていた!」と明るく言い放ち、場内の笑いを誘った。
宮沢りえを主演に迎え、末期がんで余命2カ月を宣告された女性と家族の絆を描いた同作が評価され、中野監督は新人監督の登竜門「新藤兼人賞」金賞を受賞。オリジナル脚本であることに強いこだわりをにじませ、「僕が勝負できるのは本だけ。本さえ書ければ、未来が広がるんじゃないかと思った。宮沢さんも、『紙の月』であれだけ評価されてオファーもたくさん来ていたはず。それでも、本を読んで出ると言ってくださった」と感慨に浸った。
また、ファンからおくられた2通の手紙が今後の糧になると、中野監督は熱く語った。「余命宣告を受けたお母さんに、娘が一緒に見たいということで2人で見に来たって書いてありました。これが映画を撮る意味なんだなと思った。これからもちゃんと撮らなければいけない。このことは絶対に忘れずに撮っていこうと誓いました」。
舞台挨拶終盤には客席とのティーチインが行われ、前作「チチを撮りに」と今作で火葬場が登場することの意味を問われると、丸亀に住んでいた祖父の話を始めた。「おじいちゃんは大きな人だったんですが、亡くなった時に『棺おけを大きくしてあげよう』という話になった。なのに市の斎場がぼろくて、棺おけが大きすぎて入らず、結局普通のサイズを取り寄せて、その場で移しかえたんです。もうなんか、おかしくて、おかしくて。真剣であればあるほど、おかしいことってありますよね。だから、脚本を書いていると火葬場の方に流れていっちゃうのかも(笑)。丸亀の斎場、新しくなったかなあ」。
「さぬき映画祭2017」は、2月12日まで。
関連ニュース
「阿修羅のごとく」初公開シーンや貴重メイキング映像も必見! 宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すずが“四姉妹愛”語るインタビュー動画&オフショット
2025年1月15日 12:00
映画.com注目特集をチェック
ザ・ルーム・ネクスト・ドア
【魂に効く珠玉の衝撃作】「私が死ぬとき、隣の部屋にいて」――あなたならどうする?
提供:ワーナー・ブラザース映画
キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
【本作は観るべきか、否か?】独自調査で判明、新「アベンジャーズ」と関係するかもしれない6の事件
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】こんな映像、観ていいのか…!? 不適切報道では…?衝撃実話
提供:東和ピクチャーズ
君の忘れ方
【結婚間近の恋人が、事故で死んだ】大切な人を失った悲しみと、どう向き合えばいいのか?
提供:ラビットハウス
海の沈黙
【命を燃やす“狂気めいた演技”に、言葉を失う】鬼気迫る、直視できない壮絶さに、我を忘れる
提供:JCOM株式会社
サンセット・サンライズ
【面白さハンパねえ!】菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎! 抱腹絶倒、空腹爆裂の激推し作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作
【開始20分で“涙腺決壊”】脳がバグる映像美、極限の臨場感にド肝を抜かれた
提供:ディズニー