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パリの日本映画祭キノタヨ ドキュメンタリーや長尺作品に現地の映画ファンが注目

2017年1月18日 13:54

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個性派作品にパリの映画ファンが注目
個性派作品にパリの映画ファンが注目

[映画.com ニュース] パリで開催中の日本映画祭キノタヨに、相次いでゲストの若手監督たちが訪れ、現地の映画ファンを楽しませた。

現在ミシガン大学で映画の講師をしているという「牡蠣工場」の想田監督は、アメリカから到着。キノタヨ参加は「選挙」と「選挙2」が揃って公開された2014年以来、2回目となった。会場となった日本文化会館と、1920年代に建設され30年代から日本映画を紹介していたという由緒ある映画館(現在は特別イベントの機会のみ一般に開放)クラブ・ドゥ・レエトワールの両方でプレゼンテーションを行った想田監督は、「最初に来たときよりも固定ファンが増えている印象です。熱心な日本映画のファンと、日本文化に関心の高い観客層というイメージ。日本のこともよくわかってくれているので質問も的確ですし、すでに土台があるから話しやすい気がします」と語った。自身のドキュメンタリー・スタイルを「観察映画」と呼ぶ想田監督の作品は、観客にも静かな観察を促すものだが、実際上映後もロビーで熱心に監督に質問をぶつける観客が少なくなかった。

ヒメアノ~ル」で今回初めてキノタヨに参加したのは吉田恵輔監督だ。昨年10月のベルギー、ゲント国際映画祭に続いて再びヨーロッパを訪れた吉田監督は、「お隣の国だからなのか、ゲントとパリの反応は似ていると思いました。日本だと俳優さんに関わる質問が多かったですが、海外だといじめの問題など、社会問題に関する質問が多かったです」と語った。古谷実の原作を映画化した本作は、前半のコメディ調から後半ではトーンががらりと変わり、かなりバイオレントな描写も登場するが、途中退出する観客もほとんどおらず、観客投票でも20点中平均17点を超える高得点を挙げたという。「こうした過激な題材をただ面白いだけの作品としては扱いたくなかったので、最後は自分なりに深いメッセージを込めたつもりです」と語る監督の意図は、観客に通じたようだ。

おそらく、映画ファンのなかで事前に注目度の高かった作品は、2015年のロカルノ国際映画祭で主演女優賞に輝いた、濱口竜介監督の317分の大作「ハッピーアワー」と、昨年プレミアとなったロカルノで10代の若手審査員たちが選ぶ最優秀作品賞に輝いた富田克也監督の「バンコクナイツ」だろう。「ハッピーアワー」は2回の休憩を挟んでの上映となったが、当初長尺のため、上映後のトークを予定していなかったにもかかわらず、観客の要望で急きょ、渡仏できなかった濱口監督に替わりプロデューサーの高田聡氏が上映後に登壇することに。「俳優さんたちはプロではないと聞いたが、シナリオはどこまで書かれていたのか」「ストーリーはどの程度日本社会を反映しているのか」など、こちらも熱心な質問が観客から飛びかった。

前作「サウダーヂ」がフランスで劇場リリースされた富田監督の「バンコクナイツ」は、すでにフランスのマスコミ各紙にロカルノの記事が紹介されたため、上映は批評家などプロの顔ぶれもあり満員となった。構想5年以上、撮影のほぼ1年前からタイに移り住み全編タイ・ロケを敢行して、バンコクの日本人向け歓楽街で働くタイ人娼婦を描いた。映像の美しさとともに鋭い批評性と深い人間観察がパワフルに観客に語りかける。監督は、「これまで見たことがないような新鮮な日本映画だったと言われることが多く、うれしかったです」と、手応えを感じた様子だった。(佐藤久理子)

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