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巨匠スコセッシが示した日本への敬意に窪塚洋介ら深く感謝

2017年1月17日 20:27

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久しぶりに日本での対面を果たしたマーティン・スコセッシ監督とキャスト陣
久しぶりに日本での対面を果たしたマーティン・スコセッシ監督とキャスト陣

[映画.com ニュース]巨匠マーティン・スコセッシ遠藤周作の小説を映画化した「沈黙 サイレンス」のジャパンプレミアが1月17日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、スコセッシ監督をはじめ、出演の窪塚洋介浅野忠信イッセー尾形塚本晋也小松菜奈加瀬亮、プロデューサーのエマ・ティリンガー・コスコフ、脚本を手がけたジェイ・コックスが出席した。ひと際大きな歓声と拍手で迎えられたスコセッシ監督は、場内を見回すと「ありがとう」と何度も繰り返して、熱烈な歓迎に応えた。

映画は、キリシタンの弾圧が行われていた江戸初期の日本を舞台に、ポルトガル人宣教師ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)の目を通し、人間の弱さや本質を描く。

主要日本人キャストとスコセッシ監督が一同に会するのは久しぶりのため、スコセッシ監督はキャスト陣に視線を移すと「こうやって東京で、一同に再会できるというのは感慨深い。久しぶりの方もいるが、この作品を2年間かけて編集してきた。2年間かけてお付き合いしてきたので、昨日会ったばかりの感覚でおります」とニッコリ。さらに、彼らの演技を「本当に皆さん素晴らしい芝居を見せてくれた。これは心の底から言えることですが、頑張り、力、そして深みを見せてくれた」と称えた。

そんな巨匠の思いに応えるように、窪塚は「マーティン・スコセッシ監督、どれだけ日本に来てくれるんですか。この30年、製作のために、どれだけこの人が日本に来たと思いますか? どれだけ日本に、そして遠藤周作さんの思いに、ひいては皆さんに、どれだけの敬意を払ってくれているか。極東のどこの馬の骨かもわからない俺に、毎日どれだけ敬意を払ってくれていたか。溢れるようなその敬意を僕らは感じて、毎日夢のなかで仕事をしているみたいでした」と熱弁をふるう。さらに「どれだけ山の上が厳しい寒さだろうが、どれだけ正座を長いことさせられて膝が痛かろうが、どれだけ長いこと待ち時間があろうが、そんなものは幸せの一部と思うくらい、本当に幸せな時間を過ごさせてもらいました」と言葉を続け、「今日この場所が僕の役者人生の最良の時です。そこに立ち会ってくれて感謝します。本当に幸せです、ありがとうございました」と真摯な眼差(まなざ)しで語った。

これに続くように、他のキャストも「僕も監督に出会えて幸せでした」「監督の優しさや、一緒にものを作るという姿勢にはたくさん学ぶものがありました」(浅野)、「私たちを見守ってくれて感謝しています」(尾形)、「共演者の名前と監督の名前を聞いた後に、すごく久しぶりにわくわくして、どうしても参加したいと思いました」(加瀬)、「撮影時19歳だったのですが、10代で素敵な作品に関わらせていただいたことは、私の人生のなかでとても幸せでした」(小松)と次々と感謝を口にする。

さらに塚本も、「モキチ(塚本の役名)は敬虔なクリスチャンですが、僕自身は特別な信仰はないので、自分のなかで『スコセッシ教』というものを作らせてもらいました。スコセッシ監督のためなら、なんでもできます。はりつけ(にされるシーン)の時も、もしかして死んじゃってもしょうがないかなというくらい。すべてを捧げて、監督の言うことは全部聞いて、なるべく頑張るという姿勢でやらせていただきました」と身を乗り出す。そして「僕は『野火』という映画も作ったんですけれども、未来の子どもたちが心配な気持ちが強くなってきているので、未来の子どもたちのことを祈るような気持ちで演じた。スコセッシ教と未来の子どもの合わせ技にして演じました」と客席に語りかけた。

キャスト陣の言葉ににこやかにな表情で耳をすまし、途中何度も「ありがとう」と感謝していたスコセッシ監督。深い信頼を寄せ合うキャストとスタッフの姿に、客席も終始和やかな空気で聞き入っていた。「沈黙 サイレンス」は、2017年1月21日公開。

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