工藤夕貴、運命感じた登山ガイド役で再認識「お芝居って楽しい」
2016年11月5日 13:10

[映画.com ニュース] 女優の工藤夕貴が、11月6日スタートのNHK・BSプレミアム「山女日記 女たちは頂を目指して」(毎週日曜午後10時)に主演する。連続ドラマの主演は、同局「青空にちんどん」以来、実に22年ぶり。新米の登山ガイド役で、プライベートでも登山を楽しんでいる工藤にとってはまさに適役だ。
湊かなえ氏の短編連作「山女日記」を原作に、その1編の主人公・立花柚月の設定が登山ガイドに変更された。工藤は、ナビゲーターを務める同局BS1「実践!にっぽん百名山」で、湊氏と雨飾山(新潟・長野)を登った際、初版の小説をプレゼントされており、柚月を演じることに運命的なものを感じた。
久しぶりの連ドラに緊張はあったそうだが、「山が好きだし、毎日山に登らせてもらえるしガイドの役もやってみたかった。脚本も良かったし、大喜びでした」と笑顔で振り返る。柚月は登山客を案内しながら、それぞれが抱える悩みや葛藤と向き合い自らも成長していく役どころ。「人の心の琴線にふれていく役だから、“女寅さん”のような気がするんですよね。ちょっとお節介で、それ聞かないだろうということも真っすぐだから聞いて入り込んで、自分もいろんなものを受け取りながら、人の心をほどいていくきっかけになれる。それって寅さんと相通じるものがあると思うんです」とイメージを膨らませた。
妙高山、唐松岳など山によってエピソードが分けられ、その回ごとに登山客の面々も変わり初心者も多い。富士山を仰ぐ静岡で暮らし、登山が趣味だけに「けっこう私が引っ張っています。ここに足を置いて、ストックはそっちにつけて、ここは滑るから気を付けてって、やっぱり面倒見たくなっちゃうんですよねえ」と、まさにガイドとしての役割も担っている。

当然、山での撮影は天気に左右されることも多い。台風通過による倒木もあり、録音機器が壊れるほどの豪雨に見舞われたこともあった。そんな過酷な状況を乗り越えることで出演者の結束が強くなり、スタッフとの連帯感も生まれたという。
「顔も洗っていない、歯も磨いていない状態でのおはようから夜寝るまで一緒にひざを突き合わせてやっているわけですから、そこで仲間の関係が成立している。感情の入れ方がリアルになるし、独特の空気感と連帯感が自然とわき上がってきて、人の演技を見て感動しちゃうんですよ。それが影響し合ってケミストリーが起きる。足下の石をどかすのも役者さんが手伝ったりするし、フレキシビリティを全員が試されている現場なので、一緒に乗り越えている感がすごくあるんです。なかなか体験できることができない、本当にいい現場です」
撮影の合間に滑落し、右足を捻挫するアクシデントはあったが、文字通り“山場”のシーンをすべて終えていたのは僥倖(ぎょうこう)だった。そのケガも順調に快方に向かっており、山での撮影という工藤にとっての願ってもない体験は新たな糧をもたらしたようだ。
「やっぱりお芝居って楽しい。人と物をつくるのは、こんなにも楽しいことなんだとこの作品に関われてすごく感じたんですよ。純粋に日々物づくりに励める生活が幸せですね」
昨今は山ガールが増えるなど登山ブームと言われているが、「山はすべての人が自然という大きな力の下で平等に、素直に生きられる突破口になる場所のような気がする。人が謙虚になれる場所がないから、山が好きな人が増えているんだと思うんですよ」と分析。「なぜ山が好きなのかが少しずつ見え隠れするドラマ。本質的な良さが否が応にも感じられるので、見終わって山に登りに行こうって気持ちになれると思うんですよね」。工藤の瞳は充実感に満ちた輝きを放っていた。
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