森山未來、「何も言えなくてつらかった」ネタバレありの「怒り」ぶっちゃけトーク

2016年10月31日 12:00


ティーチインに臨んだ 李相日監督と森山未來
ティーチインに臨んだ 李相日監督と森山未來

[映画.com ニュース] 李相日監督と俳優の森山未來が10月30日、第29回東京国際映画祭の「Japan Now」部門に選出された「怒り」の上映後、TOHOシネマズ六本木ヒルズでティーチインに臨んだ。公開から約1カ月半が過ぎ、興収15億円に迫るヒット。既に110万人以上が観賞しているとあって、森山は「宣伝期間は、何も言えなさ過ぎてすごくつらかった」と、ネタバレ込みのぶっちゃけトークを繰り広げた。

「怒」の血文字が残された殺人事件から1年後、東京、千葉、沖縄に犯人と思しき男が現れたことで関わる人々の生活に波紋を広げていくミステリー。沖縄編の謎の男・田中を演じた森山は、「逃亡している人間でも、生をおう歌しなければいけない。ひたすら穴の中に潜むことはできないので、どういう日々を重ね自分の中で自分をどう救うかという感情が生まれてこないとできなかった」と振り返った。

しかも田中は無人島に拠点を構え、那覇と行き来しながら生活している。「誰にも知られず存在する開放感と逃げ場がないという崖っぷち感のバランスが、沖縄の持つオープンな雰囲気と闇の部分のように響き合っているのかもという感じだった」と、ロケ地とキャラクターの心情と重ね合わせた。

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李監督は、「田中は未來くんしかいないと思っていたが、(文化庁文化交流使として行った)イスラエルから戻って来てから見た舞台『談ス』で確信めいたものになった」と起用した経緯を説明。そして、「3カ所で同時に人がうごめいていくが、それぞれの場所で起承転結がなければならないので、すべての感情の流れを丹念に追うことを心掛けた。(脚本の)行間もぜいたくに撮影する、3本の映画を同時に撮るくらいのつもりだった」と明かしていた。

第29回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。

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