岩井俊二監督「スワロウテイル」に思いはせ「自分の中の憧れが詰まっている」
2016年10月29日 10:00

[映画.com ニュース] 第29回東京国際映画祭の「Japan Now」部門の岩井俊二監督特集で10月28日、「スワロウテイル」(1996)がTOHOシネマズ六本木ヒルズで上映された。岩井監督と出演した歌手のCharaが、上映後にトークショー。岩井監督は、「自分の中のいろんな憧れがギュッと詰まっている、至福の数カ月だった」と当時に思いをはせた。
近未来の架空都市イェンタウンを舞台に、偽造紙幣に翻ろうされていく日本人や中国系移民ら若者たちの群像模様を描く。94年頃には脚本の初稿が完成しており、その時点でCharaには出演オファーをして、演技経験がなかったことから「岩井組を体験させるため」に「PiCNiC」を撮影(公開は96年)。しかし、その後「Love Letter」の撮影が入り、「違う映画だけれど、随分『Love Letter』に吸い取られた部分があって、ストーリーはほとんど0から考え直した」という。
Charaも、「私が妊娠しちゃったから、リリース(出産)待ちみたいなところもあったよね」と冗談めかす。しょう婦でセリフは中国語という難役だったが、「絵コンテが漫画で、しかもカラーだからやりたいなあって思っちゃった。平気でセリフを変えるし、無茶をさせられたけれど、映画の世界をよく知らないからそういうもんだと思っていた」とあっけらかんと振り返った。
それでも、「日常で経験することがないから、しょう婦を演じることには憧れがあった。演じられて返ってきたものも大きかったから良かったよ」と満足げに振り返ったChara。しかし、岩井監督が「Charaを映画に巻き込んで、人生を変えてしまった部分もある」と反省の弁を述べると、「そうだよ。『PiCNiC』で浅野忠信と出会っているからね。いっちゃえって皆が盛り上げたんだからね」と元夫をネタにしてチクリ。岩井監督は「俺は盛り上げていないって。Charaと出会って、いろんな物語が生まれた時期だったんだよ」と釈明していた。
第29回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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