「男と女」50年ぶりにデジタルリマスター版で公開、ピエール・バルーが劇中歌披露
2016年10月15日 13:45

[映画.com ニュース] クロード・ルルーシュ監督作「男と女」(1966)のデジタルリマスター版が10月15日、東京・YEBISU GARDEN CINEMAで公開初日を迎え、ヒロインの夫役を演じ、劇中の音楽を担当したフランスの音楽家で俳優のピエール・バルーが来日。映画の公開とバルーの来日を祝い、歌手の野宮真貴が花束を贈呈した。
フランス恋愛映画の傑作として知られる本作は、スタントマンの夫と死別した脚本家アンヌ(アヌーク・エーメ)と、妻に自殺されたカーレーサーのジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)による恋愛を、フランシス・レイとバルーの音楽と甘美な映像にのせて映し出す。第19回カンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを受賞したほか、67年の米アカデミー賞外国語映画賞、オリジナル脚本賞も受賞した。
バルーは、かねて親交のあったルルーシュ監督から「男と女」の構想を聞き、出演を快諾。ジャン=ルイ・トランティニャンを紹介し、トランティニャンがアヌーク・エーメを連れてきたというエピソードを明かす。音楽についても「私は、フランシス・レイの才能は素晴らしいとかねがねクロード(・ルルーシュ)に言っていましたが、当時、彼はニースからパリに来たばかりで、バーでアコーディオンを弾いているような無名の存在でした。なので、監督はなかなかOKしなかったのです」と回想する。
その後、バルーとレイが共同で作った楽曲を聞いたルルーシュ監督が気に入ったことで、レイの「男と女」参加が決定。ルルーシュ監督が資金集めに奔走している間に、ブラジルに滞在していたバルーは、帰国の2日前に劇中歌となる「サンバ・サラヴァ」を書き上げ、ロケの始まる3日前に、テープレコーダーに録音した楽曲をルルーシュ監督に聞かせたことで、音楽を前面に出すようなシナリオに変更されたという逸話を披露した。
「この映画で、私の曲は5曲使われていますが、監督の反応力、開かれた耳、映画における自由さが素晴らしい。それはお金がなかったからこその自由さ。もしプロデューサーがいたら、突然のブラジル音楽や、無名のアコーディオン弾きを起用することなどできなかったのです」と述懐し、「サンバ・サラヴァ」を軽やかに歌い上げ会場を沸かせた。
(C)1966 Les Films 13
フォトギャラリー
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース

「ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家」あらすじ・概要・評論まとめ ~偉大な音楽家が人生の集大成で見せる“ある行動”が心を震わせる~【おすすめの注目映画】
2025年9月18日 07:30





映画.com注目特集をチェック

大量殺戮の容疑者は、妻と4人の部下
【ネタバレ厳禁の超一級サスペンス】全感覚を研ぎ澄ませろ――スパイによる究極のスパイ狩り
提供:パルコ

レッド・ツェッペリン ビカミング
【映画.com編集長が推したい一本】むしろ“最前列”で観るべき奇跡体験! この伝説を人生に刻め!
提供:ポニーキャニオン

“地球で最も危険な仕事”を知ってる?
【驚がくの実話】ヤバい、ヤバすぎる…生存確率0%からの生還に挑む超高評価作
提供:キノフィルムズ

ハンサム・ガイズ
【すっげぇ楽しい超刺激作】激チャラ大学生が襲いかかってきて、なぜか勝手に死んでいきます(涙)
提供:ライツキューブ

映画を変えた“伝説の映画”
「マトリックス」「アバター」など数々の傑作は、このシリーズがなければ生まれなかった
提供:ディズニー

本作、良い映画ではないです。最高に良い映画です
【ラスト5分の余韻が、あなたの生涯に影響する】“ほっこり系”と油断してた…感情が持ってかれた
提供:松竹

これ観てない人、マジもったいない
【夏に観逃したという人へ…】まだ間に合う!むしろ今こそ映画館へ【知れば絶対に観たくなる7の事実】
提供:東宝東和

宝島
【超異例の「宝島」現象】こんなにも早く、心の底から“観てほしい”と感じた映画は初めてかもしれない。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント