三船力也氏、祖父・三船敏郎さんの“きれい好き”な素顔明かす「刀の代わりにコロコロ持っていた」
2016年10月13日 19:19
[映画.com ニュース]俳優・故三船敏郎さんの生き様に迫ったドキュメンタリー映画「MIFUNE: THE LAST SAMURAI」が10月13日、開催中の京都国際映画祭2016内でジャパンプレミア上映され、敏郎さんの孫であるプロデューサー・三船力也氏、脚本を手がけたスチュアート・ガルブレイス4世、映画祭アンバサダーの名取裕子がよしもと祇園花月での舞台挨拶に出席した。
「ヒロシマ ナガサキ」などのスティーブン・オカザキが監督を務めた今作は、同映画祭のオープニング作品として上映。役所広司、野上照代氏、スティーブン・スピルバーグ監督、マーティン・スコセッシ監督らのインタビューや、貴重なプライベート映像などを通じ、サムライ映画を世界に知らしめた敏郎さんの人生とその精神に迫る。
力也氏は、祖父・敏郎さんとの思い出を告白。「祖父とごはんを食べることが日課でした。子ども番組を並んで見たことがあり、その時もピシッと武士のような姿勢で、小学生の僕にドスのきいた声を出してきた。『セサミストリート』を見たことを覚えています」としみじみと振り返った。
さらに敏郎さんの“きれい好き”な一面に触れ、「本当にきれい好きで、刀の代わりにカーペットのコロコロを持っていました」と嬉々として明かす。一方で、日常生活でも「侍のようなおじいさんで、まったく隙がない。過去の写真も、変な写真が1枚もない。常にカメラを意識していたんでしょう」といい、「祖父は戦後、カメラマン志望で東宝の門を叩いたところ、間違いで書類が俳優部に回ってしまい、俳優になったんです」と話し客席を驚かせていた。
続けて名取も、「三船プロができたころに、玄関でお掃除している三船敏郎さんをお見かけしてご挨拶したことがあります」とニッコリ。作品の感想を問われると「仕事の合間に見せる姿であったり、黒澤明監督とのやり取りから、お人柄も垣間見ることが出来ました」と目を細め、「背広や洋服など、普段の三船さんのかっこ良さを発見しました。しびれちゃいましたね」とうっとりとした表情を見せた。
またガルブレイスも、「三船さんが存在しなければ、西部劇というジャンルは生まれなかったかもしれない」と述べたうえで、「クリント・イーストウッドはテレビ俳優で終わっていたでしょう」とその影響力に最敬礼。敏郎さんが死去して約19年が経つ現在も、「日本の印象はと聞かれると、いまだに『アニメ、ゴジラ、ミフネ』です」と語っていた。
京都国際映画祭2016は、10月16日まで開催。