忍成修吾主演「ひかりをあててしぼる」 米批評サイト主催のホラー映画賞受賞
2016年10月8日 13:00
[映画.com ニュース] 忍成修吾が主演を務め、実際にあった殺人事件をモチーフに描く映画「ひかりをあててしぼる」が、12月3日から東京・渋谷ユーロスペースで公開される。同作はこのほど、アメリカの批評サイト「Hollywood Investigator」が主催するホラー映画賞「Tabloid Witch Awards」で、最優秀作品賞と最優秀女優賞をダブル受賞。女優賞を受賞した派谷恵美が演じるヒロインの、初披露となる劇中写真も公開された。
同作は、2006年に渋谷で実際に起こったバラバラ殺人事件をモチーフに描いた舞台劇の映画化。幸せな結婚生活を送っていたはずの若い夫婦の間に、いつしか亀裂が生じ、やがて迎える悲劇的な結末へと向かっていく。11年に上演された舞台は、夫婦の愛憎のぶつかり合いをのぞき見するような展開が評判を呼び、同舞台を演出した坂牧良太監督が自らメガホンをとって映画化。主人公の浩平役を「リリイ・シュシュのすべて」「ヘヴンズ ストーリー」の忍成、妻となる智美役を「非・バランス」や「渇き。」にも出演した派谷が演じている。
Tabloid Witch Awardsは、04年から続いているホラー映画賞で、過去には、マイケル・ベイ製作「オキュラス 怨霊鏡」の元になった短編映画「Oculus」(06)が短編ホラー映画賞を受賞している。日本映画の受賞は今回が初めてで、同作がホラー映画として評価されたことに、坂牧監督は「この夫婦の話が、アメリカではホラー映画のような事と受け止められたのかもしれません。別の国で、もちろん日本で作品がどのような映画として見て頂けるのか。この受賞が作品に興味を持って頂けるきっかけになればと思っています」とコメントしている。
また、熱演が評価された派谷は「撮影が進み、精神的、肉体的に追い込まれていくにつれ、劇中の智美同様、わたし自身が奇妙にハイになり、そこに生の実感を見出だしていたことを思いだし、今更ながら恐ろしくなります」と撮影時を述懐。「それを受け止めてくれる忍成さんの度量、寄り添ってくれる永山(たかし)さんの献身によって成立した芝居です。スクリーンの中で生きている智美たちを是非ご覧ください」と共演者への謝辞を述べている。初披露された場面写真には、派谷演じる智美が血を浴びたかのような一場面も含まれている。