「ある愛の詩」アーサー・ヒラー監督が死去
2016年8月18日 13:30
1923年、カナダ・エドモントンに生まれたヒラー監督は、第2次世界大戦中はカナダ空軍に所属、終戦後に大学を卒業し、カナダのラジオ局でキャリアをスタートさせた。その後、50~60年代初頭にかけて米国のテレビ界でドラマ演出を多数手がけ、57年に「The Careless Years(原題)」で映画監督デビューを果たした。
代表作「ある愛の詩」は、エリック・シーガルの小説をもとに身分の異なる男女のラブロマンスを描き、大ヒットを記録。同作はアカデミー賞で作品賞・監督賞を含む7部門にノミネートされ、ゴールデングローブ賞の監督賞に輝いた。ヒラー監督はその後もコメディやラブストーリー、ミュージカルなど幅広いジャンルを手がけ、アクションサスペンス「大陸横断超特急」(76)や伝記ドラマ「夢を生きた男 ザ・ベーブ」(92)などのメガホンをとった。06年のコメディ「Pucked(原題)」が最後の監督作となった。
89~93年に全米監督協会(DGA)の会長を、93~97年にはアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーの会長を務め、長年にわたる映画界への貢献に対し、02年にアカデミー賞でジーン・ハーショルト友愛賞が贈られた。
米バラエティによれば、「ある愛の詩」の主演女優アリ・マッグローは「アーサー・ヒラー監督は、私の人生の中でもっとも大切な経験と深く結びついています。すばらしく、才能にあふれ、寛大な人物でしたので、非常にさびしく思っています」と追悼コメントを寄せている。