ドヌーブと共演の仏新星は「鉄拳」シリーズ大ファンの美青年!
2016年8月5日 17:00

[映画.com ニュース] 親の愛を知らず非行を繰り返す少年と、少年を助けるために奮闘する大人たちの姿を描いたカトリーヌ・ドヌーブ主演作「太陽のめざめ」が、8月6日から公開される。ドヌーブ演じる判事と激しくぶつかりながらも心を通わせていく不良少年を演じたのは、演技経験のなかったロッド・パラド。繊細さと危うい暴力性を秘めた存在感でリバー・フェニックスの再来などと絶賛され、ディオール オムのモデルにも抜擢された20歳の美青年だ。このほど初来日を果たしたパラドに話を聞いた。
母親に置き去りにされた6歳の少年マロニーを保護した、家庭裁判所の判事フローランスは10年後、16歳になったマロニーと再会する。しかし、母親の育児放棄により心に傷を負ったマロニーは、学校にも通えず非行を繰り返していた。フローランスは、マロニーと似た境遇にありながら更正した教育係のヤンとともに、マロニーにやさしく手を差し伸べる。マニュエル・ベルコ監督のメガホンで、フローランス役をドヌーブが、マロニー役をパラドが演じる。
職業訓練校在学中にキャスティング担当にスカウトされ、見事主役を射止めた。家族の愛を求め、精神的に不安定な青年を演じきるのには大変な苦労があったと語る。「演技は何の経験もなかったので、いろんなことに直面しました。ベルコ監督と多くの時間をかけて準備をしました。彼女にはきついことも言われけれど、中身の濃い仕事になりました。怒りを爆発させなければいけないときも、なかなかそういう気持ちになれないので、わざと監督は僕が怒るようなことを言って、怒りの演技ができたこともありました。仕事に対してはとても満足しています」
大女優カトリーヌ・ドヌーブとの共演については「すごくいい関係でした。すばらしい方でした。人を和ませることが上手で、とても寛容で愛情ぶかい方でした。スクリーンの時に初めて出会って、そのときに彼女に『少年、君、何歳なの?』とたずねられて。そして僕は『あなたは?』と言ったら、はっきりと年齢を答えてくれたんです(笑)。そのときにお互いの関係性が出来上がって、気づまりなところというのはなかったです」と振り返る。

劇中では、刑務所に入ったマロニーと移民の受刑者たちとの交流が描かれ、今のフランス社会の一端を表すような場面も。ロッド自身も昨年11月のパリ同時多発テロ事件の現場のひとつとなった、パリ郊外の街で生まれ育った。「フランスは様々な宗教や人種の人がいる複雑な社会です。それぞれの人がいろんなことを考えている様々なコミュニティがあるのでそのコミュニティ同士を尊重しあうということが難しいというのが、僕にとっても残念なことだと思う。大切なのは、お互いに愛情を持って付き合えること、連帯感を持って一緒に生きていくことだと思うのです。もちろん、共生できる人もいますし、反対にいつもいがみ合っている人たちもいます。でも、残念ながら差別主義はフランスだけではなくてどこの国にもあることだと思います」と持論を語った。
初来日の感想を問うと「すべてのことが上手くいってて、空港でスーツケースが出てくるのを3時間も待たなくてよかったり、いろんなことがスムーズに機能していてストレスを感じることなくほっとしました。でも、東京の人口密度にはびっくり。たくさんの人がいるのに、皆さん穏やかさを保てるのはすごい」といい、日本の漫画やゲームのファンだと明かす。「『ONE PIECE』『BLEACH』が好きでした。ワンピースには面白いエピソードがたくさんあってよく友達と話をしたし、ゲームの『鉄拳』にはハマリすぎました! いろんな展開があって、格闘シーンが最高」と目を輝かせた。
目標にする俳優は、バンサン・カッセルやロバート・デ・ニーロ。「どちらかというと作家主義的な映画、リアリズムであろうが、なかろうが関係なく、自分の胸を打つ作品が好きです。今、僕の俳優としての扉が開いたばかり、それが閉まらないように、つかみつづけていかないと思っています」と真摯に語る。これからの活躍に目が話せない注目俳優だ。
「太陽のめざめ」は8月6日公開。
(C)2015 LES FILMS DU KIOSQUE - FRANCE 2 CINEMA - WILD BUNCH - RHONE ALPES CINEMA – PICTANOVO
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