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「イマジン」アンジェイ・ヤキモフスキ監督が来日 自身の映画人生のルーツ紹介

2016年6月20日 17:00

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アンジェイ・ヤキモフスキ監督
アンジェイ・ヤキモフスキ監督

[映画.com ニュース]東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の「EUフィルムデーズ2016」で6月19日、ポーランド映画「イマジン」のアンジェイ・ヤキモフスキ監督が来日し、講演を行った。

2003年に40歳で「目を細めて見てみよう」で長編劇映画デビューし、その後、東京国際映画祭出品作「トリック」(07)、「イマジン」(12)と、4~5年に1本というペースで作品を発表。民族的でありながら普遍的、私的でありつつ哲学的な作風でポーランド内外で高い評価を得てきた。

第2次大戦の悲劇を描いたアンジェイ・ワイダ監督の「地下水道」とアンジェイ・ムンク監督「エロイカ」の一場面を紹介し、ハリウッド映画さながらにスケールの大きな作品と、悲喜劇両面を併せ持ったポーランド映画の特色を語る。「人生では悲惨なこととこっけいなことが絶えず交じり合っています。怒号を上げるヒトラーの姿を見てください。ムンクが持っているユーモア感覚は、世界を理解する助けになります」と説明した。

また、ポーランドの巨匠のほかに、ヤキモフスキ監督に影響を与えた作品として、アルフレッド・ヒッチコック監督の「」、安部公房原作、勅使河原宏監督の「砂の女」を紹介し、「鳥と砂が映画についてのイメージを作り上げた。(も砂も人間ではなく)物質に過ぎないが、深い内容を物語ることが可能になる」と解説。「私はムンクと同様、恐ろしく危険なものは同時にこっけいだという認識を持っています」と述べ、視覚障害者の恋愛模様を描いた自身の「イマジン」を挙げながら「何かを見るのに目は必要ではない、想像力が必要なのだと教えます。これこそが視覚障害者とそうでない人にあてはまる普遍的な真実だと思います。実人生においても、映画においてもあてはまる真実です」と結んだ。

「EUフィルムデーズ2016」では、過去最多の26のEU加盟国から長編作品と短編集、計30プログラムを上映。東京国立近代美術館フィルムセンターでの会期は7月10日まで。6月25日より京都文化博物館に巡回する。上映作品は公式サイト(www.eufilmdays.jp/)で紹介している。

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